Twitter(@fujinuma_m)やpixivで自身の描いた漫画を不定期に投稿している漫画家の藤沼みすずさん。現在までに漫画アプリ・GANMA!で「訛音まじりと、かげひなた」や「しかくいアナタをまるくして」を連載。先日、Twitterにも投稿した読み切り作品「春色と恋わずらい」は大きく拡散され、2300万ビュー(2023年5月25日時点)以上を記録した。

「春色と恋わずらい」では、田舎から大学進学にともなって都会に引っ越した幼なじみカップル茉千(まち)と祥太郎(しょうたろう)が、環境の変化にとまどいながらも相手を想い合う姿が「尊い…!」と話題に。不器用な二人の“一途な恋”にときめく人が続出した。


過疎地域で育った二人。地元ではモテる気配ゼロだった祥太郎だが、都会に引っ越してみたら「長身でイケメン!」と憧れの的に。田舎に住んでいたころから変わらない茉千は「祥太郎の隣にいるためには自分も変わらなくては…!」と、健気に自分磨きに奮闘する。だが、がんばればがんばるほど二人の間に距離ができていく…?

今回は、作品を描くことになったきっかけやこだわりなどを聞いた。

――簡単に自己紹介をお願いいたします。

「藤沼みすずと申します。細々と漫画を描いています」

――SNSでの投稿をはじめられたきっかけ、その理由を教えていただけますか?

「子供のころから絵を描くのが好きだったのですが、絵を描く仕事についてほかに詳しく知らなかったので、身近だった漫画という分野にぼんやりと惹かれていきました。SNSは作品の宣伝用に始めました」

――「春色と恋わずらい」を描こうと思われたきっかけや、執筆時にこだわったポイントを教えてください。

「とにかく顔の良いキャラクターが描けたら楽しいかな、と思い立ち、もうすぐ春という時期に差し掛かっていたこともあり、新大学生のお話になりました。元々画力が不安定な人間なので、とにかく顔を良く…顔を良く…と念じながら作画を行いました」

――特に思い入れのあるシーンとその理由を教えてください。

「祥太郎が茉千を抱き寄せる場面は担当の編集さんに助言をいただいてできたシーンなんですが、この場面があることで作品全体の恋愛漫画度がググッと上がっている気がしていて…。ご教示いただけてよかったな〜と思っています」

――Twitterでは2300万ビュー、17万いいね!、RTやブックマークが2.4万ついています(2023年5月25日時点)。反響を受けて、どう感じられましたか?

「こんなことになると思ってもみなかったので純粋に驚きました。宣伝があまり得意ではないので、すごく有り難かったです。そして同時に、自分の技術力以上のリアクションに単純に怖いと感じてしまいました(笑)。根がだいぶ臆病なので…」

――執筆される際、こだわっているポイントや込められている思いを教えてください。

「こだわりというほどではないのですが、私自身、人のダメなところを『人間らしいな』『かわいらしいな』と思って好むタイプなので『キャラクターの完璧じゃないところも愛らしいと思ってもらえたらいいな〜』と思って描くことが多いかもしれません。前作の『しかくいアナタをまるくして』はそういうところが結構顕著に出ているかもしれないですね」

――どんな方に作品を届けたいですか。

「どんな方にでも観てもらえたら嬉しいです…!当たり前のことを言っている気がしますけども(笑)。自分がおもしろいなと思ったものを届けられるようにがんばるので、それを同じように『いいな』と思ってくれる人が1人でも多くいてくれたら、それ以上幸せなことはないなと思います。どこで何をしてるどんな人でも、嬉しなって思います」

――記事を読む方に向けてメッセージをお願いします。

「ここまで読んでくださってありがとうございます!今後も細々と描いていけたらと思うので、またお目にかかれたらうれしいです」

今後もGANMA!内にて新連載を予定しているとのこと。Twitterでも告知があるようなのでぜひチェックを!


取材協力:藤沼みすず(@fujinuma_m)、GANMA!編集部