「きょうは、ねません」「だっこは、ほんとに、しあわせなじかんなんです」。Twitterに綴られるあかちゃんの素直な気持ち。あかちゃんです(@dakkoshitene)は、直接は伝えられない心の内をひらがなで発信している。読者からも、あかちゃんに語りかけるように「ままもがんばるよ」「ははにしてくれてありがとう」など、ひらがなでの声が続々と寄せられ、あかちゃんとの会話が生まれることも。

あかちゃんはどんなきっかけでTwitterを始め、どんな思いで発信しているのだろうか。今回、あかちゃんの母に話を聞いてみた。



■まだ直接話ができないあかちゃん。いつもどんなことを考えてる?
――Twitterをしているあかちゃんは、どんなお子さんですか?

「とてもかわいい子です。いくつか気に入っているおもちゃがあるのですが、集中モードに入ると口を少しとがらせながら一生懸命遊んでいます。気に入っているといえば、あかちゃんの頃に頂いたふわふわの毛布が大のお気に入りで、眠くなると口元に持っていき、もひもひとするんです。落ち着くんでしょうか。集中しているときや、眠たいときはとてもかわいいのですが、最近自我が芽生えたようで、お風呂や歯磨き、緑の食べ物を拒絶します。怒る母と泣くあかちゃん、毎日1回はある光景です」



――あかちゃんがTwitterを始めたきっかけは何だったのでしょうか?

「正確には分からないのですが、よく私が怒ったときに『何考えてるの!』『何がしたいの!』と言うからかもしれません。あかちゃんがイヤイヤしたり、泣いたりすると、何を求めているのかわからなくって、カッとなって怒ってしまうんです。そんな怒り方したって何も解決しないし、状況が悪化するだけなんですけれど…。もしかすると、他のおうちでも同じようにあかちゃんの気持ちがわからなくて困っている親御さんがいるかもしれない、それならお役に立とうと思ったのではないでしょうか」

――あかちゃんのツイートはお母さんも見ていますか?素直な気持ちが優しく、ときに面白いです。Twitterをしているときはどんな様子ですか。

「はい、もちろん見ています。直接は話してくれませんので、Twitterを見て『ああ、今日のあのぐずりはそういうことだったのね』と把握するようにしています。実は、Twitterをしている様子は見たことがなくて、どんなタイミングで投稿しているんでしょうかね」



――お母さんは、あかちゃんがどんなことを考えながら発信していると思いますか?

「どんなことを考えながら...そうですね、ツイートされる内容を見るに、その日私に怒られたときの心情とか、ぐずった背景を書いていることが多い印象です。反省文のつもりなのでしょうか」

――投稿には読者からの優しい言葉がたくさん溢れていて、アカウントの雰囲気がとても素敵で癒やされます。

「私もそのように感じますし、私だけじゃないんだな、育児で日々戸惑い、悩んでいる人って、こんなにいるんだなって気付かせてくれました。育児って実家、義実家の協力があって助かるところもあるけれど、実際に母や父ににのしかかる部分って結構大きいなと思っていて。Twitterの中ではありますけど、同志がいると感じられて心強いんですよね。コメントは書いていないけれど、みなさんが寄せてくださっているコメントを見て励みになっている人も多いのではないでしょうか」



■ツイートを見て「余裕のなかった心に少しだけ余裕が」
――あかちゃんがTwitterをしていて、思い出に残っていることはありますか?

「あかちゃんの声が、さらに多くの人に届くよう応援したいからとイラストを描いてくださる方がいらっしゃるようです。育児が本当に辛いと思っていたけれど、Twitterを見てからあかちゃんのことがかわいく思えるようになったという方もいらっしゃいました」



――お母さんご自身にも、何か変化はあったのでしょうか?

「私はつい怒ってしまったり、自分を優先したりしてしまうことがあって、毎日のように反省しているのですが、あかちゃんがツイートするようになってからは、『いまぐずっているのはもしかしてこういうことかな?』『いま泣いてるのはこういうこと?』と、あかちゃんの気持ちを考えられるようになってきました。余裕のなかった心に、少しだけ余裕ができたような。そうすると心なしか、かわいく思える瞬間が多くなった気がするんです」



――最後に、いつもあかちゃんのツイートを楽しみにしている読者へ、お母さんからメッセージをお願いします。

「あかちゃんも、成長して大きくなっていきますが、まだあかちゃんのうちは、こうして発信してくれるのではないかなと思います。あかちゃんが親の気持ちを理解するとか、気を遣うなんてことできないでしょうから、親があかちゃんの気持ちを考えて、歩み寄れたらいいですよね。母である私もみなさんのコメントに救われるところがありますので、今後ともあかちゃんにコメントや、いいねを送ってもらえると嬉しいです」

かわいくて世界で一番愛おしい存在のあかちゃん。でも育児をしていると大変なことばかりで、「あかちゃんがどうして欲しいのかわかったらいいのに」と思ったことがある人はきっと多いはず。そんなときは、あかちゃんのツイートをぜひ見てみてほしい。素直で優しい本音に出会えるかもしれない。

取材・文=松原明子