カワイイ見た目なのに「攻めた音」! ギャップ萌えにメロメロになること確実なクルマ5台

この記事をまとめると

■おとなしい見た目なのに激しい排気音をもつクルマを紹介

■小型ハッチにはそうしたモデルが多い

■音だけじゃなく走りを追求したモデルも

エンジンをかけた瞬間衝撃の音が響く!

「かわいいフリしてあの子、わりとやるもんだねと〜♪」なーんて歌が流行った時代がありましたが、なんの歌詞かわかった人は、ちょっと大人の人ですね。クルマにも、見た目はキュートでかわいいのに、いざ走りだすとものすごいイカツい音が響いてビックリする、なんてことがあるものです。今回はそんな、見た目と音にギャップのあるクルマたちをご紹介したいと思います。

 まず1台目は、現行モデルでいまも新車で買える希少なクルマ、アバルト695。フィアット500がベースとなっているこのモデルは、丸目のヘッドライトがいまにも話しかけてきそうな、とってもキュートで愛嬌のあるデザインをしています。まぁ、ホイールの間から真っ赤なブレーキキャリパーが見え隠れしていたり、仰々しいリヤウイングがついていたりするので、見る人が見れば走りだす前から「なんか迫力がちがうな」と気がつくと思うのですが、一見すると小さくてかわいいクルマなんです。

 でも、ブランド名の由来である創業者のカルロ・アバルト氏は、小さなクルマをめっちゃ速く走るマシンにチューニングして、大排気量のクルマをレースで打ち負かすのがとっても得意な、偉大なエンジニアでした。そのノウハウが受け継がれているアバルトのなかでも、695は高性能を意味し、さらにハイエンドモデルとなるのがマニュアルモデルしか存在しない「695 Competizione」。エンジンを始動させた瞬間から猛獣が吠えるような音が響くのだから、思わず二度見する人までいるほどです。

 1.4リッターターボエンジンとは思えない、最高出力180馬力を誇るパワーと、ハイパフォーマンスエキゾーストシステム「レコードモンツァ」の官能的なサウンドが共鳴して、ゾクゾクするような世界へ誘ってくれるモデルです。

 2台目は、名前も見た目もかわいいとコアなファンが多い、フィアット・パンダ4×4。通常のフィアット・パンダはおおらかなデザインと軽快な走りのコンパクトカーなのですが、不定期で限定モデルとして登場している4×4は、フロントのアンダーカバーやフォグライトなどがついて、車高もリフトされたクロスオーバーSUVのテイストをまとったデザインが魅力的です。

 ターボとなる875ccの2気筒ツインエアエンジンは、最高出力85馬力、最大トルク145Nmほどなので、決してパワフルな走りではないのですが、なぜか走りだすと元気がもらえるような、クルマと一体になれるような楽しさがあるのは、ガルルルと唸るようにも聞こえてくる、勇ましいサウンドのおかげもあるのかもしれません。最新のパンダ4×4ではダイヤル式のドライブモードセレクターも付いていて、オフロードやヒルディセントコントロールも選べるようになっています。

音だけじゃない「熱い走り」を秘めたクルマもある

 3台目は、惜しまれながら生産終了が発表された、ルノーの末っ子コンパクトカーのトゥインゴのなかで、2017年に限定200台として発売された、高性能モデルのトゥインゴGT。見た目はノーマルモデルとほぼ変わらず、コロンとしたキュートなフォルム。でもエンジンをかけると野太い音が響き渡り、気分が一気にレーシーに高揚してしまいます。

 リヤにまわってみると、2本出しのクロームエキゾーストパイプがやる気マンマン。排気流と排気圧を最適化するためにエキゾーストシステムにも手が加えられているというから、ちょっと誇らしい気持ちになりますね。エンジンが荷室床下に搭載されるのはベースモデル同様で、0.9リッターの直3ターボエンジン。ECUのマッピングの変更や、吸排気系および冷却システムの改良によって、最高出力109馬力、最大トルク170Nmを実現しています。

 4台目は、かつてアストンマーティンがトヨタと共同開発で販売した、いまとなっては幻となっているコンパクトカー、シグネット。ル・マン24時間レースの現場で意気投合したというトヨタとアストンのトップ同士の会話から実現した、ウソのような奇跡の1台です。

 全長3mを切るマイクロボディなのに、フロントマスクはどこかDB9の面影があり、室内はオールレザーの超ラグジュアリーな仕立て。エンジンは1.3リッターの直4で、6速MTとCVTが用意されていました。私はこれを香港で試乗してきたのですが、狭くて迷路のような市街地をクルクルと最高の小まわり性能で走り切るシグネットは、痛快な楽しさがあったのでした。もちろん、エンジンをかけた瞬間の音もオーケストラのようにいい音色で、うっとりしたのを覚えています。

 さて、5台目はちょっと古いモデルになりますが、国産メーカーのエンジニアたちが好きなことをやりたい放題やったのでは、と思えるくらいぶっ飛んでいたのが、ダイハツ・ストーリアX4。ストーリアといえば、ちょっと宇宙人のような、ウーパールーパーのような、愛嬌あるフロントマスクが特徴的。その雰囲気はそのままに、全日本ラリーに向けたモータースポーツ用のベース車両として誕生したのが、このストーリアX4でした。

 排気量は713ccなのですが、タコメーターを見ると、8500rpmからレッドゾーンが始まるというのがレア。その始動音も猛々しいもので、運転するとこれまたクラッチの操作感があまりにカッチリしていて驚きます。機械式LSDが組み込まれているので、低速で曲がるときなどにガッキンゴッキンといった音がするのも独特でした。こんなにぶっ飛んだコンパクトカーはもう、出ないかもしれないなぁと思うと、少し寂しい気もしますね。

 まさに、音のイカツさにボディサイズや排気量は関係ないゼ! と身をもって証明してくれたモデルたち。一度は聴いてみてほしいギャップ萌えサウンドです。