西部警察をオマージュしたマシンを学生が製作! いまやナイト2000もマシンRSも夢物語じゃない!!

この記事をまとめると

■東京オートサロン2024に西部警察の「マシンRS」風なカスタムカーが出展されていた

■ドラマではカーナビなど当時としては先進的な技術が各車両に搭載されていた

■40年前の未来の話に感じたようなことがいまでは現実となっている

スーパーシルエット風のV36スカイラインに想いを寄せる

 新型コロナウイルスが5類へ移行後初開催となった、「東京オートサロン2024」が盛況なうちに閉幕となった。その会場内で、オジサン世代の筆者の心がまさに「ときめいた」1台があった。それは国際情報工科自動車大学校が出品した「Super silhouette police(スーパーシルエットポリス)」であった。この雰囲気、このボディカラーを見れば、筆者と同世代(筆者は還暦まであと数年)の「男子」ならばすぐにピンとくるはずである。

 ベースとなっているのは、V36型(12代目)日産スカイラインクーペ。実車近くにいたこの学校の生徒さんらしき人に聞くと、「R30型(6代目/ニューマン)では中古車価格が高すぎたので、V36型にしました」とのこと。この配色でこの雰囲気とくれば、いまもなお語り継がれている伝説のポリスアクション(番組的には「コンクリートウエスタン」と呼んでいたようだ)「西部警察」に出てくる「マシンRS」を連想させるが、さらにKDR30スカイラインスーパーシルエット82を融合させたのがこのモデルなのである。

 先ほどの生徒さんらしき若い世代の人に「西部警察ってもちろんリアルで見たことないですよね?」と聞くと、「はい」との返事。DVDなどで見たとのことで、実際見てどう思うか聞くと「爆破シーンとか見ごたえありますね」と、西部警察は令和の時代の若者「Z世代」にも十分受け入れられる「伝説のアクションドラマ」なのだとわかりうれしくなってしまった。

 見た目だけではなく、コクピットまわりもマシンRSの雰囲気が十分盛り込まれていた。「リアル・マシンRS」同様に助手席部分には計器類が満載されていたのだが、モニターはブラウン管から液晶の大型タイプとなったものの、当時の面影は十分演出されている。

「ちなみにモニターだけではなく、パソコンも搭載していますし、ネット通信も可能です」と説明してくれた。RSではないがマシンXではモニター(ブラウン管)に丸く線だけがあるところにランプが点滅しているだけで、団長(大門部長掲示/渡哲也氏)が「ホシは恵比寿●丁目へ向かっている」などと指示を出す姿に、「さすが団長」と思っていたが、このモデルにはカーナビゲーションが搭載されていた。

いまや西部警察の世界は現実に!

 記憶が確かなら、西部警察パートII 第15話「ニューフェース!! 西部起動軍団」にて、団長が主に乗るガルウイングドアを採用した「スーパーZ」とともにマシンRSは登場する。そして、逃走するダンプを追跡し、いまのお台場付近と思われる13号埋立地に追いこみ逮捕するのだが、そのときに逃走したダンプカーについて、マシンRSに搭載するパソコンから車両紹介するシーンがあったと覚えている。

※写真はベースとなったスカイラインHT2000ターボRS(DR30)

 そして「警視庁のコンピュータ」から瞬時に該当車両の情報が送られてきた。当時はただ「すげぇ」と思っていたが、大人になってから再放送をみると、「Wi-Fiなどもない時代にどうやって?」と疑問に思う。それだけ西部警察は先(未来)をいっていたのである。

 実際、大門軍団が使っていた特殊装備のなかには、西部警察が影響したともいえないものの、それに似たものがいまの警察装備として使用され、日々の警察活動で活躍しているともいわれている。ただ、当時は「夢の装備」だったものが、いまでは簡単にどこでも買えるもので実現できてしまうのだから、やはり文明の進化というのは恐ろしいものである。

 西部警察と放映が被る時期にアメリカのドラマシリーズとなる「ナイトライダー」というものが放映されており、こちらも大ヒットしていた。「いま風」にいえばAIを搭載した、GM(ゼネラルモーターズ)のポンティアック・トランザムに搭載したシステムの略称がK.I.T.T/キット(ナイト・インダストリーズ・トゥー・サウザンド)と呼ばれ、K.I.T.Tの相棒となる「マイケル・ナイト」とともにさまざまな事件を解決していくというのがストーリー。

 マイケルが運転中(自動運転ももちろん可能)に「おいキット」と声をかけると、「ナンデス マイケル?」とキットが答えて会話が続いていく。筆者は、毎回本筋が始まる前のマイケルがキットにアメリカ文化みたいなのを教える「ミニコーナー」が好きだった。あるときマイケルがトンネルに入るとクラクションを鳴らしだした。すると「マイケル ナンデ トンネルデ クラクション ヲ ナラスノデスカ?」と聞いた。すると「アメリカではこれが昔から当たり前なんだ」といったことを話したと記憶している。

 人工知能搭載、それに伴う自動運転、「ナイトライダー」の世界も夢物語かと思っていたが、いまでは当たり前になるまでそう時間もかからない状況まできている。

 数年前にある人が「気がついてみると、もう現代は我々(オジサン世代)が子どものころ夢見ていた未来社会にほぼほぼなっている」と話していたが、たしかに気がついてみるとそうだなと、今回のオートサロン会場で考えてしまった。