「白・緑・黒・黄色」があるけど何が違う? トラックのナンバープレートの「色」の意味を深掘り解説!

この記事をまとめると

■公道を走るクルマにはナンバープレートの装着が必須

■トラックのナンバープレートにはいくつか種類がある

■トラックのナンバープレートそれぞれの意味について解説する

白ナンバーで有償業務を行った場合は道路運送法違反

 トラックなどの自動車には、公道走行を前提としていれば必ずナンバープレートがついている。

 正式には「自動車登録番号標」といい、公道を走るクルマに対して必ず掲げるように、道路運送車両法に規定されている。記載内容は地名(住所地や車庫などといった、当該車両使用の本拠を管轄する運輸支局・自動車検査登録事務所所在地のほか、ご当地ナンバーがある)/平仮名/数字(分類番号下2桁の一部には最近だとアルファベットも使われている)で構成されており、公道を走るクルマのなかにはまったく同じ表記のものはふたつと存在しない。

 ちなみに自衛隊車両・天皇料車・外交官車両については対象外で、別途定められた標識を掲示することになっている。国賓などが臨時にもち込んだ車両についても、対象外とする措置を取ることが多い。

 一般的なトラックのナンバープレートには、大型番号標(縦220mm×横440mm、道路運送車両法上の普通自動車で車両総重量8t以上・最大積載量5t以上か乗車定員30名以上の車両)と中型番号標(縦165mm×横330mm、大型番号標あるいは軽2輪・小型2輪・検査対象外軽自動車以外の車両)の2種類の大きさがある。

 カラーは白地に緑色文字(白ナンバー)あるいは黄色地に黒文字(黄色ナンバー、軽トラック)の自家用と、緑地に白文字(緑ナンバー)あるいは黒地に黄色文字(黒ナンバー、軽トラック)の営業用の合計4種類が基本だ。

 白ナンバー(黄色ナンバーを含む)は自家用だから、トラックを登録すれば誰でも取得できるナンバー。これをつけている車両は、原則的に有償で荷物や人を運ぶことは許されていない。個人の自家使用や、法人の場合は自社の人や荷物を、従業員の運転で運ぶような場合に限って使用することができる。

 これに対して緑ナンバー(黒ナンバーを含む)は営業用なので、個人や社内だけではなく他社(他者)から有償で依頼を受けて、荷物や人を輸送できるのである。もしも白ナンバーでこういった有償業務を行えば、道路運送法違反となって摘発の対象になる。

税金は緑ナンバーのほうが低いが自動車保険は高くなる傾向

 白ナンバーと緑ナンバーでは、これ以外にも違いがある。そのひとつが税金だ。対象は自動車重量税と自動車税で、車両総重量や積載量によって金額に違いはあるものの、いずれも緑ナンバーのほうが低い。逆に自動車保険は営業活動によって使用頻度が上がるため、緑ナンバーのほうが高くなる傾向にある。車検・点検整備も保険と同様の理由で、概ね緑ナンバーのほうが受検頻度は高い。また、緑ナンバーを運転する場合には、アルコールチェックが義務付けられている。

 このように緑ナンバーのトラックは、安全性の観点などからさまざまな制約がある。しかし、事業として運送を行うのであれば緑ナンバーは必須であり、これを取得していることが運送事業者としての信用につながる。ひいては、事業資金融資などのときにも有利に働くことが多いのだ。また、緑ナンバー取得の条件として、従業員の社会保険や労災・雇用保険に加入(公的機関から定期的にチェックがある)が求められる。これは従業員からすれば福利厚生の充実につながるため、定着率向上に資すると考えられる。

 緑ナンバーの取得するためには、
・事業所に5台以上の車両5名以上のドライバーを保持している
・事業所を設置している立地が適切である
・事業資金が十分にある
・運行管理者がいる
・ドライバー全員が社会保険に加入している
などの条件をクリアした上で事業者として申請を行い、審査を経て許可を受ける。そうして初めてナンバーの取得が可能になるわけだ。運転免許は当該車両に適応したものが必要だが、物品の運搬だけなら1種免許でよい。ただし、人を運ぶ場合は2種免許が必要だ。

 施設(幼稚園・保育園・学校・習い事のスクールなどを含む)の送迎バスなどのなかには、白ナンバーのものがある。これは施設の所有で施設職員が運転し、(送迎自体は)無償で送迎を行っているからである。幼稚園・保育園などではバス代を徴収していることもあるが、これは道路運送法上の特例判断と考えられる。もっとも、これら運送事業者に委託している場合は、緑ナンバーの車両を使用しなければならず、ドライバーも2種免許を取得している必要がある。

 また、公共交通機関がない地域や、引っ越し事業者がやむを得ない理由で、臨時にレンタカーを使用する場合などについても、事前に届出などをすることで、白ナンバー車両を使用することができる。

 日ごろ何気なく見ている緑ナンバーだが、なかなか奥が深い意図がある、といえよう。