【試乗】ジープ・コンパスが変身! ジープらしさは残しつつ装備の充実で日常の使いやすさを向上

安全・快適装備を最新版にアップデートしても価格アップは最小限

 オフロードの雄として世界に名を馳せている「ジープ」ブランド。コンパスはそのなかでコンパクトSUVとしてラインアップされている。2012年に初代モデルが登場し、世界各地で大きな人気を博し、2017年に現行モデルへと進化を果たしていた。今回、マイナーチェンジとして内外装のデザインを見直し、とくに内装デザインは全面的に刷新された。また、デジタルツールも安全機能を中心に充実させるなどして進化させられている。それでいて従来モデルからの価格上昇が、1〜10万円に抑えられているのもトピックだ。

「スポーツ(FF)」、「ロンジチュード(FF)」、「リミテッド(4WD)」の3グレードが設定されている中、最上級のリミテッドに試乗してきたのでリポートしよう。

 リミテッドが搭載しているのは2.4リッターの直列4気筒自然吸気の「マルチエア16バルブ」エンジンだ。ターボチャージャーを持たない自然吸気のシャープな吹き上がりが特徴的なパワーユニットで、マルチエアとは可変バルブタイミング機構を持つことを示している。シングルカムの簡素なシリンダーヘッドレイアウトに可変バルブタイミング機構を組み入れ、出力特性の向上と低コスト、高耐久性、メンテナンス性の高さが特徴といえる。

 組み合わされるトランスミッションは9速のトルコンATで、これらパワートレインはフロントに横置き搭載されている。4WDシステムはオンデマンド形式により通常はFFで走行しているが、状況に応じて自動的に4WDへと切り替わる。駆動制御にはジープの悪路走行に対する高い経験値が活かされているのは言うまでもない。

 コクピットに乗り込むと、まったくの新型車と言っていいほどに雰囲気が変わっている。ダッシュボードはホワイトとブラック基調の2トーンカラーで仕上げられ、ダッシュボードはソフトパッドで覆われていてステッチが刻まれた高級感のある演出がされている。

 メーターは大型の液晶が採用され、表示内容をデジタルやアナログメーターなど切り替えられる。視認性も高まり現代的な見た目となった。またセンターディスプレイには10.1インチ(スポーツは8.4インチ)の大型液晶モニターが採用されている。操作の基本はタッチパネルで扱いやすく機能性も高い。ただナビゲーションは標準装備されず、自身のスマホと連携させるApple Carplayを使用することになる。

 スイッチングユニットを見まわすと、シフトレバーの横に「SAND/MUD」、「SNOW」、「AUTO」とドライブモードを切り替えるスイッチが配され、また「ヒルディセント」や「4WD LOW」「4WD LOCK」といったオフロードでの走破性を制御するスイッチが並ぶ。今回の試乗は都内の一般道なので、こうしたスイッチ類の作動を確かめることは出来なかったが、ジープらしい走破性を確立していることの証として見て取れるのだ。

アクティブ・レーン・マネジメントシステムをジープで初採用

 ドライブモードは、デフォルトでは「AUTO」が選択されており、一般道においては駆動系に何も気を遣わずに走ることができる。最近のトレンドはオンデマンド4WDでも常に4輪に駆動配分することで操縦安定性を確保するモデルが増えているが、コンパスは通常はFFの2WDとして燃費を向上させる手法を選択している。

 また、安全運転支援機能が追加されたこともトピックスとなっている。歩行者や自転車も検知可能なブレーキアシストに加え、ジープ初となるアクティブ・レーン・マネジメントシステムが標準装備されている。これはいわゆるLKA(レーンキープアシスト)として機能するもので、走行車線をカメラで認識して車線逸脱警報に加えてステアリングを自動補正する装置だ。実際に試すと補正が強く、都内の狭い一般道の車線では介入頻度が高すぎる傾向に感じられたが、東名高速道や東北道のような幅広く長い直線車線が続くような場面では、ドライバーの負担を大幅に軽減してくれるだろう。

 他にもブラインドスポットモニターやアラウンドビューモニターなど、日常の使用で便利な機能が多く搭載され、競合する国産車や欧州車と遜色ない充実した装備になったといえるだろう。

 175馬力/6400回転の最高出力や229N・m/3900回転の最大トルクをレギュラーガソリンから引き出しながら、WLTCモードで11.5km/リッターとされる燃費性能も魅力。100km/h以下では9速に入らないほどのハイギヤードなオーバードライブレシオで、高速巡航燃費は公表値以上に伸びそうだ。機会があればオフロードでの走破性も試してみたいところだ。