Economist誌1月27日号の社説‘Vietnam needs a new leader’は、「グエン・フー・チョン書記長が、一時期公の場に姿を現わさなくなったことで、色々と憶測を呼び、彼自身がベトナムの将来に対するリスクとなっていることが浮き彫りになった。ベトナムは実務的な指導者を必要としている」と主張している。要旨は次の通り。

(Frendy Aristo Wijaya/gettyimages)

 ベトナムは、米国と中国の競争の激化にチャンスを見出している。その戦略的位置ゆえに、米中両国はベトナムを重視している。

 昨年ベトナムは、習とバイデン双方の国賓訪問を受け入れた唯一の国であった。米国はベトナムに対して沿岸警備隊の船舶を提供し、ベトナムは米国との関係を、中国およびロシアと同じ待遇(包括的戦略的パートナーシップ)へと格上げした。

 こうした巧みなバランス外交から、ベトナムは政治的にも経済的にも利益を得ている。米国は、中国経済を切り離す取り組みとして、海外投資家の事業を中国以外へ移転させる動きを主導している。ベトナムは、他のどのアジア諸国よりも、このリスク回避の動きから恩恵を受けている。

 2023 年第3四半期までの間に、ベトナムは、インドネシア、フィリピン、タイと比較して対国内総生産(GDP)比で2倍の海外直接投資を呼び込んだ。今やApple や Samsung などの大手ブランドを含む、新規参入者が、バリューチェーンを高めることに寄与している。ベトナムの支配政党は、45年までに同国を先進国にすることを目標にしている。

 「つまずき」の余地はほとんどないように見える。しかし、地政学的スイートスポットは長く続かないかもしれない。トランプが政権に復帰すれば、ベトナムとの巨額の貿易赤字に対して不服を唱えることもあり得る。

 ベトナムの経済発展の根底にある有利な人口動態は弱まってきている。10年以内に、生産年齢人口は減少に転じると予測されている。