ジョージアは、ロシアと同様の「外国の代理人」を取り締まる法案を推進し、5月14日同法案を可決した。首都トビリシでは抗議運動が大規模なデモに発展している。

 法案が審議入りした際の4月17日付けワシントン・ポスト紙は、国内で大きな反発が生じていることを報じるとともに、同国の欧州連合(EU)加盟の障害となるのではないかと指摘する解説記事‘Georgia pushes Russian-style ‘foreign agent’ law, putting E.U. bid at risk’を掲載している。概要は次の通り。

ジョージアの法案にロシアのプーチン大統領の関与はあるのか?(代表撮影/AP/アフロ)

 ジョージアの議会は、4月17日、非常に異論の多い「外国の代理人」を取り締まる法案を前進させた。この法案は、ロシアにおいて、政治的反対勢力をつぶすために用いられてきた法律と同様の内容のものである。

 ジョージアでは、この法案は、大規模の街頭デモと非難を引き起こしたが、サロメ・ズラビシヴィリ大統領も同法案を非難している一人である。同大統領は、ジョージアの議会と政府を支配している政党「ジョージアの夢」には所属していない。

 ズラビシヴィリ大統領をはじめとする同法案の批判者は、この法案自体、ロシアが背後にいて、外国の介入の手段となるものであり、ジョージアが申請しているEU加盟を困難にさせる狙いのものだとしている。「国民の意思に反してこの法案を進めようとすること自体が直接の挑発であり、ジョージアを不安定化させるロシアの戦略だ」と同大統領はXに投稿した。

 同法案が成立すると、資金の20%以上を外国から得ている非政府機関、活動家集団、メディアは「外国の代理人」として登録することを求められる。ロシアにおいては、同様の法律により、多くの政治的な反対派が迫害され、メディア、人権団体が閉鎖に追い込まれた。それには、2022年のノーベル平和賞を受賞した人権団体「メモリアル」も含まれる。