2024年5月27日付英フィナンシャル・タイムズ紙は、「中国は、日中韓サミットの新たな始まりを歓迎」との解説記事を掲げ、5月27日に約5年振りに行われた日中韓首脳会合の評価を解説している。

日中韓首脳会談が約5年ぶりに開催されたが、中国側の出席は習近平総書記でなく李強首相(右)だった(代表撮影/ロイター/アフロ)

 中国の李強首相は、日中韓三カ国が自由貿易協定(FTA)の交渉再開を合意したことを受け、韓国と日本との新たな関係の始まりを歓迎した。5月27日にソウルで行われた日中韓首脳会談で発表された共同声明では、三カ国間のFTA交渉を加速化することが示された。

 この首脳会合は、中国の先進的半導体技術へのアクセスを制限する米国の包括的輸出管理への日韓の参加や米国と日韓との活発な軍事協力を背景に、2019年以来初めてかつ短期間で調整された。中国の李首相は、この会合は中国と日韓という東アジアの米国の同盟国との間の関係の「新たな始まり」を意味すると述べた。

 彼は、保護主義とサプライチェーンの切り離しへの反対を強調した。また、日韓両国に相互の核心的利益に配慮するよう要請したが、これは、米国の対中政策に同調することに対する警告だ。首脳会談の公式議題は、北朝鮮や台湾などの地域の紛争に触れられず、学術交流や観光、気候変動や将来の疫病対策での協力を含んだ。

 5月26日、李強首相はサムソンの李在鎔会長と会い、世界最大の先進的半導体メモリー生産企業である韓国の巨大テック企業が中国への投資を増やすように勧奨した。しかし、韓国の元貿易大臣によれば、地政学的環境と、中韓テック企業が現在多くの分野で直接的な競争関係にあることを考えると、韓国企業が先進的技術について中国への投資をする可能性は低い。