技能実習生に「きれいに掘っといて」と抽象的に言ったところ、驚きの結果にーー。そんな投稿がSNSで話題になっています。投稿者に話を聞きました。

「周りきれいに掘っといて」

話題になったのは、はすみん社長@設備屋(@irohasumi)さんがXに投稿した画像です。

はすみん社長が技能実習生に語ります。
「やり直しだってさ」「ココやり直すから、周りきれいに掘っといて」

技能実習生「うん」

そして、技能実習生が掘った穴の画像が添付されています。
定規でも使ったかのように、まっすぐな面で掘られた真四角の穴。深さも十分で、配管が完璧に出ています。

《ワイ「ほんとに綺麗で草」》


この投稿には「この技能実習生はいい職人になれる気がする」「めっちゃ作業しやすい最高の仕事してる」「めちゃくちゃ有能」と感心するコメントがつき、4.8万件のいいねがつきました。

抽象的に言ってしまったけれど

投稿したはすみん社長に、話を聞きました。

この時は、漏水している配管修理の下請け工事をしているところでした。

現場は民家の基礎が出ていて、大きく掘りにくく、修理がしづらい場所でした。

一緒に作業をしていたのは、元請けの会社で雇われていた技能実習生でした。東南アジアから日本に来て2年目の彼とは、来日したすぐ後から現場でたびたび顔を合わせていました。

「これはなに?」「これはどうする?」と覚えたての日本語で分からないことを積極的に質問し、休憩時間でも配管の大きさをスケールで測って自主的に覚えようとしている彼の姿に、「かなり意欲的だな」と一目置いていました。


この日はようやく漏水箇所の修理が終わったところに、お客さんから追加で配管の依頼がありました。

はすみん社長は「とりあえず材料用意してくるから、やり直すために掘っといてほしい」と彼に言い残して、その場を離れました。

きっちり真四角に

抽象的な言い方をしてしまったな、と思いました。日本語が分かる日本人でも、こういう依頼だと、おおざっぱに掘って、後から掘り直すことになります。

期待をせずに戻ると、技能実習生はきちんと、最低限のサイズで穴を掘ってくれていました。

普通のスコップだけで、きっちり真四角に。

しかも作業がしやすいように配管の下まで掘り下げられており、「ちゃんと配管作業をする前提で、考えて掘ってくれたことにびっくりしました」。

「4万8千人がほめたんだ」

この驚きを投稿したところ、4.8万人が「いいね」をしてくれました。それを技能実習生に報告すると、「うそですよ…」と信じられない様子。

本当だと分かると、「ほめられることなんてないですよ」と遠慮気味に話したそうです。

はすみん社長が「あれ、きれいだよ」「4万8千人がほめたんだ、うそじゃないぞ」との言葉に、「いやぁ」と照れ笑いしていました。


投稿には「真面目」「すごい」というコメントが並びました。

はすみん社長は、投稿をきっかけに「真面目な技能実習生」を知ってもらえてうれしいと話します。

外国人が関係するネガティブなニュースを見聞きすると、「ニュースのせいでイメージが悪くなる傾向がある」と胸を痛めてきました。

「僕自身、外国人技能実習生は真面目な方が多いなと思っています。仕事をするために日本に来ているので、学ぶ姿勢がしっかりあるのは当たり前なのかなと思います」