【医師監修】赤ちゃんのよだれトラブル。多くなる時期と受診目安

出産準備としてよだれかけを用意するご家庭も多いでしょう。今回は、生まれたばかりの赤ちゃんってよだれを流すの? よだれの量が多すぎない? 何かの病気では? 医師に診てもらった方がいい? などなど、赤ちゃんのよだれトラブルに関する疑問にお答えします。

この記事の監修ドクター 大越陽一先生
杏林大学医学部卒業、杏林大学医学部小児科学教室任期助教、埼玉県立小児医療センター循環器科医長を経て現在アルテミスウイメンズホスピタル小児科勤務。小児科専門医

よだれはなぜ出る?その役割は?

最初に「よだれとは何か?」という話をしましょう。

よだれって何?よだれが出る理由

よだれは、唾液(だえき)が口から流れ出たものです。

唾液が口からよだれとして流れ出してしまう原因の1つとして、唾液をうまく飲み込めないことがあります。

私たちの口の中の舌や喉などは、ふだん意識しなくても働いていて、唾液が増えすぎた時にそれを自然に飲み込む動作をしています。この仕組みが小さな子ではまだうまく働きません。その結果、よだれが流れてしまうというわけです。

大人でも何かの障害のために唾液を飲み込む力が弱くなってしまった時、よだれが流れてしまうことがあります。

唾液にはどんな役割があるの?

よだれのおおもとの唾液には、食べ物の消化を助けたり、口の中をきれいにする働きがあります。他にも、粘膜の保護や組織を修復したり歯の再石灰化を促す作用もあり、口の中だけでなく、体が正常に機能するために無くてはならない存在です。

唾液の量はどのくらい?

健康な成人の場合、1日に1〜1.5Lほど唾液が分泌されています。乳幼児の唾液分泌量はよくわかっていませんが、120〜150mLとも言われています[*1]。

唾液の分泌は、食べ物を見たり食べたりするなどの刺激を受けて増えますが、刺激がなくても覚醒時(目が覚めている間)には常に少量分泌されています。さらに、睡眠中にもわずかですが、分泌されています。

赤ちゃんのよだれの原因は?

さて、唾液の基礎的な話をしてきましたが、ここからは本題、赤ちゃんのよだれについて話を進めていきましょう。まずはよだれの原因についてです。

赤ちゃんには歯がないことがよだれの原因の1つ

赤ちゃんによだれが見られ始めるのは、個人差はありますが、通常3ヶ月ごろからです。理由として、この時期は唾液分泌が増える一方で飲み込む力はまだ弱いことがあります。

また、唾液が流れ出るのを防ぐ “堤防”(ていぼう) の役割を果たす下の前歯がまだ生えていないことから、口の中の唾液がよだれとなって流れ出しやすいのです。

なお、生まれたばかりの赤ちゃんにも若干の唾液分泌がありますが、通常、よだれになるほど多くはありません。

乳幼児は安静時の唾液分泌が多い

生後3ヶ月ごろになると唾液分泌、とくに安静時唾液(咀嚼〈そしゃく〉などの刺激がなくても自然に流れ出る唾液)が多くなるため、よだれが出やすいです。

あまりにもよだれが多いと心配になるかもしれませんが、よだれ以外に「呼吸が苦しそう」「不機嫌」などがなければ、様子をみていいことがほとんどです。月日がたつにつれて、何の刺激もないのに出るようなよだれは減少していきます。

歯が生え始める時に増えることも

唾液の分泌の増加は、歯が生え始める時に見られる生理的な徴候でもあります。また、離乳食を与え始めると、食物の固さを調節して飲み込みやすくするために、唾液の必要量が高まります。そのために唾液分泌が増え、よだれが増えることもあります。ただしこの場合でも、飲み込む力が育ってくるとよだれは少なくなります。

赤ちゃんのこんなよだれには注意!

赤ちゃんのよだれは、唾液の分泌を増やすような病気や嚥下障害(飲み込む力の障害)がなければ、成長につれて減っていきますから、基本的に心配いりません。

ただし、例外もあります。よだれ以外にも何かしらの症状がある場合、唾液分泌を増やしたり、唾液が流れ出やすくなる病気や異常があるとも考えられます。次に該当する場合は、医師の診察を受けましょう。

よだれが増えるよくある病気

よだれが増える病気としてまず考えられるのは、口や喉に起きる感染症などです。具体的には、歯肉口内炎、アフタ性潰瘍(ヘルパンギーナや手足口病を含む)、扁桃炎、扁桃周囲炎、咽後膿瘍などです。また、鼻がつまっている際の口呼吸でよだれが出ることもあります。

食道異物(異物誤飲)

食道に何かの異物が詰まっていて、唾液を飲み込めないためによだれになることがあります。幼児期や児童期では異物誤飲にとくに注意が必要です。

嚥下障害を伴う場合

よだれが多いだけではなく、ミルクや母乳が飲めない(飲み込んでもむせてしまうなども含む)、固形物が飲み込めないなど、嚥下障害を伴う場合は、一度小児科に相談することが必要です。嚥下(えんげ)障害は神経疾患や耳鼻科疾患などの基礎疾患が隠れていることもあります。

なお、よだれが原因で赤ちゃんの口のまわりがかぶれてしまうことがあります。清潔を保つ、ゴシゴシこすらずに水分を多く含んだガーゼなどでやさしく拭う、保湿をする、などに努め、かぶれがひどいようであれば小児科や皮膚科を受診しましょう。

まとめ

赤ちゃんのよだれの多くは自然におさまるのであまり心配する必要はありません。赤ちゃんのよだれが急に目立ったり、よだれ以外に気になる症状がある場合は、すぐに医師に診てもらいましょう。

(文:久保秀実/監修:大越陽一先生)

※画像はイメージです

参考文献
[*1]小児科33(10),1383-,1992

※この記事は、マイナビウーマン子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます


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