人気セレクトショップ「BEAMS」で〈こども ビームス〉〈ビーミング by ビームス〉キッズの2つのレーベルのディレクターを務める南村麻美さん。私生活では子どもたちとのハッピーオーラ溢れる暮らしがInstagramでも人気の南村さんに、【ゴキゲンな暮らし】の秘訣をききました。

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南村麻美さん

株式会社BEAMSで〈こども ビームス〉〈ビーミング by ビームス〉キッズの2つのレーベルのディレクターを務める。小学校2年生のかえちゃん(7歳)と、保育園年長のここちゃん(5歳)を育てるママとして、Instagramで発信するハッピーでおしゃれな家族との暮らしも注目を集める。

Instagram:@chami1222

帰宅後の行動をルーティン化したら「あれっ、楽になったかも!」

ーー人気レーベルのディレクターを務める南村さん。現在はどんな働き方をしていますか?

南村麻美さん(以下、南村) BEAMSで働き始めてから20年ほどで、産休と育休から復職した際にこども服の担当を希望しました。平日は9時半から16時半の時短勤務です。〈ビーミング by ビームス〉キッズではオリジナルアイテムのディレクションを、〈こども ビームス〉ではレーベルのディレクションに加え、海外ブランドの買い付けも担当しています。

年に数回は国内外の出張もあって、ヨーロッパは1週間くらい、アジアだと3〜4日、国内は1泊などです。出張中は夫が子どもたちと過ごしているので安心ですが、早く家に帰りたいから、できるだけ短いスケジュールになるように調整しています(笑)。

ーー仕事に育児にと大忙しの毎日だと思いますが、家事の時短のためにしていることはありますか?

南村 次女が生まれたころから、朝は夫で夕方以降は私、と自然に家事を分担するようになりました。朝は夫が朝食作りと洗濯、下の子の保育園の送りをしてくれ、夜は私が子どものお迎えと夕食作り、洗濯物をたたんで子どもを寝かしつけるまでをやっています。朝は出勤する前に夕食の煮込みやスープなどを何かしら作るようにして、帰宅後はメインを焼いたり揚げたりすればすぐ食べられるようにしています。

最近は子どもたちが成長してくれて、帰宅したらランドセルや保育園バッグを置いて、手を洗って、洗濯物を出して、宿題をやる、という帰宅後のルーティンができてきたので、すごく助かっています。私の片づけの手間が大幅に減って、かなり時短につながっていると思います。

――そのルーティンはいつごろからできるようになったんですか?

南村 長女が年長で小学校入学を意識し始めたころに、荷物の置き場所を決めることから始めました。「保育園から帰ってきたら、バッグをここに置いて手を洗うよ」から始めて、「脱いだ靴下は洗濯かごに入れるよ」「お道具箱はここに置こうね」と、少しずつ段階を踏んで毎日教えました。始めはなかなかできなくて「もう!言ったでしょー!」とプンプンすることもありましたが、毎日根気よく言い続けるうちに少しずつできるようになったと思います。

以前は、仕事が終わってスーパーで買い物をして、子どもたちのお迎えに行って、帰宅したらキッチンで買ったものを片付け、また玄関へ行って子どもたちのバッグや服を片付け……とバタバタでした。

でも今は、帰宅してから宿題までの流れを子どもたちが自分でやってくれるから、私はキッチンでそのまま夕食作りに取りかかれるんですよね。あるときふと「あれっ、楽になったかも!」と実感しました。長女の姿を見て次女もまねするし、長女が次女に「手を洗おうね」なんて教えてくれるのも助かっています。

南村さんが姉妹に着せていたこども服。全部かわいすぎ♡(『MOM & KIDS DIALOGUE 子どもと一緒に暮らしを楽しむためのヒント!』より)

平日子どもと向き合える時間は1日4時間しかないと気づいて

――子どもたちとの時間を機嫌よく過ごすために気をつけていることはありますか?

南村 家族の雰囲気って、私の機嫌次第でよくも悪くもなってしまうんですよね。私が笑っていれば家族も平和(笑)。ということは、私は息抜きをしなきゃいけないし、自分の楽しみを持たなきゃいけないと思うんです。疲れがたまったらマッサージなどでメンテナンスするとか、がんばった仕事の区切りがついたらちょっと高い洋服をごほうびに買うとか。そういうちょっとしたことで自分の機嫌を保つようにしています。

私の眉間にシワが寄り始めると、夫が「公園に行ってくるね」って子どもたちを連れ出してくれるんです。それで「あっ、私不機嫌だったな」って気づくことも。

――南村さんのインスタを見ると、家族仲がよくていつも笑顔いっぱいのイメージですが、お子さんたちに怒るようなことはありますか?

南村 もちろんあります。日常的に私は叱り役担当で、パパが甘やかし担当なので(笑)。ただ、自分の余裕がなくなると、理不尽な怒りをぶつけてしまうこともありました。

1年ほど前に長女が入学したころから、〈こども ビームス〉を担当して出張の機会が増えたんですが、必然的に普段の業務もタイトになって大忙しに。たとえば1週間パリへ出張するとしたら、出かける前は社内業務がバタバタです。余裕がなくなりすごくイライラしていた時期は、子どものちょっとしたことが気になってきつい言い方をしてしまっていました。そうしたら子どもに「ちゃーちゃん(南村さんの呼び名)、そんなに怒ることじゃないよ」と言われました(笑)。

それで考えてみたら、平日に子どもと過ごせる時間って4時間くらいしかないんですよね。わずかな時間しか一緒にいられないのに、怒っていたらもったいないな、笑って過ごしたほうがいいよな、って。それに子どもがこんなにかわいい時期もきっとあっという間に過ぎちゃうだろうな、と気づいてから、もっと子どもとの時間を大切にしたいなと思うようになりました。

今は自分自身のスケジュールを詰めすぎないことや、「こうしなきゃ!」にこだわらないことを意識しています。子どものお風呂の時間が遅くなる日があってもいいじゃん、たまには忘れ物もしょうがないじゃん、と、完璧を求めずにゆるいマインドでいるようにしたらずいぶん楽になった気がします。

ママ友との銭湯でリフレッシュ

――南村さんは「自分1人の時間」は持てていますか?

南村 週に1回くらいは子どもたちが寝たあとに自分時間を作るようにしています。ゆっくりおふろに入って、ラジオを聞いたり、ドラマを見たり、ネットで気になるインテリアを探したり……。

あとは、ママ友と銭湯に行くこと! 夜に「子どもたち寝た?」「寝たよ!」「じゃあ行こ!」と連絡を取り合い、夫に寝ている子どもたちをお任せして近所の銭湯に行きます。銭湯であったまりながらあれこれおしゃべりをして、おふろ上がりにはコンビニでビールとおつまみを買って、道端で一杯やる(笑)。それだけですごくリフレッシュするし、機嫌がよくなって、明日もがんばろう! と思えます。

選び抜かれたインテリアに惚れぼれ……♡ お皿の1枚1枚にもセンスを感じます。(『MOM & KIDS DIALOGUE 子どもと一緒に暮らしを楽しむためのヒント!』より)

――素敵なママ友付き合いですね! 南村さんの自宅のインテリアもすごくすてきです。自分好みの空間を作ることも大事にしているんでしょうか?

南村 リビングと子ども部屋は私が大好きなテイストのインテリアを集めています。とくにテーマはないけれどすべてのアイテムがお気に入り。「これはあんまり好きじゃないけどしかたない」というアイテムはありません。

昔から、家はリラックスしてすごせるお気に入りの場所にしたいから、アイテム選びは妥協せずにこだわっています。大好きなアイテムが揃う空間にすることで、家で過ごす時間も大好きでいられます。

でも子どもの学用品などは、キャラクターグッズもありますよ。子どものものは、自分たちの好きなものを選ぶように任せています。

子どもたちに働くことの楽しさを伝えたい

――忙しく働くママとして、お子さんたちにどんなことを伝えたいと思いますか?

南村 まだ7歳と5歳の子どもたちにとって、いちばん身近な働く大人は私と夫です。いずれ彼女たちも成長して働いて生きていくのだから「働くことは楽しいよ」と伝えたいと思うんです。

私が「仕事が大変すぎる」「今日も疲れた」と不満ばかり言っていたら、働くことに対して不安になってしまうだろうな、と。だから、普段から自分がどんな仕事をしているか、ということや、「洋服を作るってすごく楽しいよ」「作った服を着てくれる人がいるってうれしいな〜」と、仕事の話をなるべくするようにしています。

最近、子どもたちが私の仕事を少しずつ理解し始めて「これ、ビームスの服?」「ちゃーちゃんがつくったやつ着る〜」と、私が作った服を喜んで着てくれるのは、この職業だからこそ経験できること。そんな仕事に携われていることにとても幸せを感じます。

子どもたちは平日にママと過ごす時間が少なくてさみしい思いをしているかもしれないけれど、私は自分の仕事が大好きだし、仕事をしているから今の暮らしができている、と子どもたちに伝えることを大事にしています。いずれ彼女たちも自分の好きな仕事を見つけてくれたらうれしいですね。

ママの作った服を喜んで着てくれるという姉妹たち。(『MOM & KIDS DIALOGUE 子どもと一緒に暮らしを楽しむためのヒント!』より)

――どんなタイミングで仕事の話をするんですか?

南村 夕食のときにその日のできごとを1人ずつ発表するんです。子どもたちの学校のできごとを聞いて、私も「今日はこんなお仕事をしたよ」と話します。最近は「今日の優しい行動を発表しよう」がテーマ。子どもたちは一生懸命考えて「お友だちにこんなことをしてあげた」「順番をゆずってあげた」と話してくれるんです。「すごくいいことができたね!」って大げさに褒め称えると、次の日も家族に発表したいから、優しいことをしようと思うみたいです。だれかのためにしたことが、彼女たちの自信にもつながったらいいな、と思います。

でも私はなかなか優しい行動ができていないことが多くて(笑)。「ママは今日はできなかったから反省だな〜」と言いながら、私も「優しさ」探しをしています。

ビームススタッフのパーソナルブックシリーズ『I AM BEAMS』Vol.6『MOM & KIDS DIALOGUE 子どもと一緒に暮らしを楽しむためのヒント!』

ファッションやライフスタイルに深いこだわりをもつビームススタッフ個人の魅力を一冊の本にしたパーソナル・ブックシリーズ『I AM BEAMS』のVol.6として、〈こども ビームス〉〈B:MING by BEAMS(ビーミング by ビームス)〉キッズディレクター南村麻美著の『MOM & KIDS DIALOGUE 子どもと一緒に暮らしを楽しむためのヒント!』が発売中。

▼詳細はコチラ

https://www.beams.co.jp/item/tokyocultuart/music/30810049312/

『MOM & KIDS DIALOGUE 子どもと一緒に暮らしを楽しむためのヒント!』

814kmxnrpol. sy425 ¥ 1,760

(撮影:佐藤登志雄 取材・文:早川奈緒子)