特に自覚がないのに、歯科の検診で、「歯周病になりかけています」と言われた経験がある人、多いのではないでしょうか。

歯周病は痛みなく進行するため、気づいたときは歯を失う一歩手前という事態になる恐れも。

ロッテが開催した、歯ぐきケアのタイミングについて学ぶ「歯と口の健康メディアセミナー」の様子をお伝えします。

歯を失う一番の原因は歯周病大阪大学大学院 歯学研究科 予防歯科学講座の特任教授である天野敦雄先生によると、日本は長寿の国であるにもかかわらず、70歳になったときの歯の本数の平均が、スウェーデン21本に対し16.5本と少ないのだそう。
日本人(特に中高年)は「歯科は歯が痛くなったら行くところ」と捉えているため、痛みなく進行する歯周病に気づきにくいという理由が考えられるのだとか。
実際に歯周病になっている人の割合は年々増えていて、60代後半では半分以上の人が歯周病に罹患していることがわかっています。

また、歯周病になると全身疾患が起こりやすいこともわかっています。健康に長生きするために、そして、高齢になったときの医療費を抑えるためにも、歯周病にならないよう、若いころから意識してケアをすることが大切です。

定期的な検診でプロによるクリーニングを受ける歯周病対策で大切なのが、定期的に歯科医院に行って、衛生士(プロ)のクリーニングを受けること。
歯周病になっていないか、悪化していないかをチェックし、プロの技術で歯石を取り除くことで、歯周病になりにくい口腔環境を作ります。
定期的に歯科検診を受ける日本人が少ないのに対し、アメリカでは年に2回、スウェーデンでは年に1回、歯科検診を受けるのが「普通」だそう。
私たちも、定期的な歯科検診を習慣にする必要がありそうです。

また、プロのケアだけでなく、セルフケアを怠らないことも大切です。

歯ブラシだけでは汚れの6割ほどしか落とせないため、歯間ブラシやフロスといった補助器具を使ったクリーニングは欠かせません。

「40歳を過ぎたら歯間ブラシはマスト。また、ガムを噛むと唾液が出て口の中を清潔に保てるので、細菌の繁殖が抑えられます。歯ぐきを守る成分が入っているガムもありますよ」(天野先生)

ユーカリ抽出物の成分が、歯周病菌の生育を抑える続いて登壇したのは、株式会社ロッテ中央研究所 噛むこと研究部部長補佐であり、薬学博士でもある大澤謙二さん。

「歯周病は細菌の感染によって引き起こされる感染症で、人類史上最も感染者数が多い感染症としてギネスにも登録されています」と大澤さん。

日常的に摂取できる食品を用いて、歯磨き以外に歯ぐきの健康のケアができないかと、ありとあらゆる天然素材を調べた結果、ユーカリに歯周病菌に対する強い抗菌効果があることがわかりました。
ユーカリ抽出物を口に入れることで、歯周病菌がほとんど増殖しないことが研究から明らかになったのです。
ユーカリには、歯周病菌の育成を抑える効果と、歯垢の生成を抑えるという歯周病対策となる効果があり、その効果はユーカリ抽出物の摂取を中断したあともしばらく継続することが判明しています。

食べ物が歯に詰まりやすいのは、歯周病かも天野先生によると、「食べたものが歯に詰まる」のは歯周病が進行している可能性があります。
「歯に詰まりやすい」「歯周病かも」と思ったら、歯科医院を訪れましょう。

また、ガムや歯間ブラシといったセルフケアも有効です。
寿命=健康寿命になるよう、今から歯ぐきケアに力を入れましょう。