【甲子園100ネタ! 甲子園の名将】恐るべき胆力と独自性で時代を切り拓いた名物監督10傑

【甲子園100ネタ! 甲子園の名将】恐るべき胆力と独自性で時代を切り拓いた名物監督10傑
 今夏、100回目を迎えた夏の甲子園。100回大会を記念して、これまでの甲子園の歴史から100のトピックスを厳選して紹介したい。

 第8回は甲子園の常連・名物になった“名将”たち。

◎甲子園の名将たち

【71】広商ブランドを作り上げた練習の鬼
 戦前の高校野球で名将の地位を築いた指導者といえば、広島商・石本秀一監督だろう。26歳で監督に就任し、猛特訓に次ぐ猛特訓。精神鍛錬にも力を入れ、集中力を高めるために行った日本刀の刃渡りは「広商はそこまでするのか!」と相手を萎縮させた。

 全国制覇を4度達成したのち、プロ野球の監督に転進。広商では“バント・機動力・堅守”の伝統を作ったが、大阪タイガース(現阪神)では、打撃重視の「ダイナマイト打線」を形成。戦後、広島の初代監督に就任すると資金集めに奔走し、「市民球団」の礎を作った。野球チームのブランディング、カラー作りにおいても右に出る者はいないだろう。

【72】笑顔をグラウンドに持ち込んだ勝負師
 箕島で全国制覇4度の実績を残した名将は尾藤公監督。1979年には石井毅(現木村竹志)と嶋田宗彦のバッテリーを擁し、春夏連覇を成し遂げた。尾藤監督のトレードマークといえば、「尾藤スマイル」と呼ばれる笑顔。劣勢の状況でも常に笑顔を絶やさずに明るい野球を展開。現在の高校野球では「笑顔」は一般的なものとなっているが、尾藤監督のさわやかな笑顔が全国の指導者に与えた影響は計り知れない。

 また、1970年代にはすでに特製ドリンクでの水分補給を始めており、先進的な指導も有名。

【73】阿波の攻めダルマ
 戦後高校野球に革命をもたらした名将といえば、池田・蔦文也監督。山間の公立高校ながら、1974年春に部員11人「さわやかイレブン」で準優勝を果たすと、その後は筋力トレーニングを重視したパワー野球で他校を次々と撃破。春夏通算14回の甲子園出場で優勝3回、準優勝2回の成績を挙げ、「やまびこ打線」の名を全国に轟かせた。

【74】「常勝PL」を作り上げた男
 1980年代に黄金時代を築いたPL学園・中村順司監督も時代を動かした一人。1980年に監督に就任すると、1981年春に全国制覇。1983年夏は、1年生のKKコンビを積極的に起用し、準決勝で徳島・池田の「やまびこ打線」を撃破。優勝候補大本命の池田を力勝負で圧倒し、見事に池田から「黄金時代」を継いだ。甲子園通算58勝10敗。優勝6回、準優勝2回。

【75】強攻のプロ、その手腕はまさに魔術師
 取手二、常総学院で監督を務め、通算40勝19敗、取手二で1度、常総学院で2度の全国制覇を達成した木内幸男監督。大胆な継投や強攻策をことごとく当て、その采配は「木内マジック」と呼ばれた。茨城弁丸出しのインタビューの受け答えは「木内節」と呼ばれ、高校野球ファンの胸を打つこともしばしば。選手が小粒な年でも下馬評を覆す試合巧者ぶりが目立った。

【76】甲子園最多勝、百戦錬磨の仁王立ち
 今夏の甲子園にも出場する智辯和歌山。高嶋仁監督は高校野球ファンの間では知らぬものがいない名将中の名将だ。系列の智辯学園監督時代も含め、今夏で38度目の甲子園。通算68勝34敗(※)で歴代最多勝をマークしている。ベンチの前では腰に手を当て仁王立ち。高嶋監督のこのポーズを見ただけで真夏の訪れを感じる。

(※編集部注:内容は2018年夏の甲子園開幕前)

【77】稀代の策士
 勝負の機微を読むことにかけては明徳義塾・馬淵史郎監督もすさまじい。1990年に監督に就任して以降、甲子園出場30回。甲子園で幾度も名勝負を繰り広げ、20回連続甲子園初戦勝利の偉業も達成。試合前のコメントから勝利への執念を感じさせる監督で、何が起こるのかとファンをワクワクさせてくれる。通算50勝31敗、優勝1回。

【78】名門・横浜で数々のプロ野球選手を育成
 「甲子園には、魔物なんて棲んでいない。もしも、棲んでいるとしたら、お前たちの心の中にいる」。高校野球界でいくつもの名言を生んだのは、横浜・渡辺元智監督。小倉清一郎部長との二人三脚で全国制覇5度の名門を作り上げた。1970年代、1980年代、1990年代、2000年代のすべての年代で日本一を達成している。特に選手とのコミュニケーションに力を入れ、言葉の掛け方・選び方を早くから追求したモチベーターの先駆けでもある。

【79】筋骨隆々の選手を生んだ「食トレ」
 2000年代以降、野球界でのトレンドになった食事の意識改革。その道を切り拓いたチームのひとつが帝京だろう。前田三夫監督が猛特訓にプラスして課したのは一食三合のご飯を平らげる「三合飯」。「食べるチームは甲子園でも結果を出す」という持論で、筋骨隆々の選手を育て上げ、1990年代から体つきと打撃の迫力は甲子園でもずば抜けていた。甲子園通算51勝23敗、優勝3回。

【80】早くも歴代最多優勝、平成の名将
 横綱・大阪桐蔭を率いるのは西谷浩一監督。今春のセンバツを制し、早くも6度目の全国制覇。PL学園・中村順司監督に並び、史上最多タイの優勝回数を数える。これまでの甲子園成績は15回の出場で49勝9敗(※1)。あと1勝で歴代6人目の通算50勝に到達する(※2)。まだ48歳。ここから不滅の大記録を作るかもしれない。

(※1編集部注:2018年センバツまでの成績。※2:8月6日に夏の甲子園で勝利を挙げ、通算50勝を達成した)

文=落合初春(おちあい・もとはる)


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