大蔵村南山のふるさと味来館が6日、全面的に再開される。運営を担う地元の石川建設(石川春雄社長)が、食堂を再び開店。棚田米などの地元農産物も販売し、地域の魅力を発信していく。

 同館は食文化や農業を体験する施設として村が建設し、1997年に開所した。日本の棚田百選に選ばれた「四ケ村の棚田」まで車で5分ほどの場所にあり、棚田振興の拠点としても活用された。食堂や調理場、休憩所、農機具展示コーナーを備える。

 2014年度には約8700人が訪れたが、運営を担っていた団体が働き手を確保できず23年4月に休館。7月から石川建設が運営を引き受け、観光客の休憩所として管理してきた。

 再開する食堂は土日のみの営業(午前11時〜午後2時)で、地元産カモ肉「最上鴨」のジンギスカン(1人前2千円)を提供する。土産品販売コーナーでは地元農家が栽培した棚田米やトマトなどの農産物を販売する。そば打ち体験も再開の準備を進め、夏はキャンプ、冬は周辺の田んぼでスノーモービルを楽しめるよう検討していく。

 「味来館を地域のランドマークとし地元の文化や里山の風景をつなぐ拠点にしたい」と意気込むのは石川建設の石川竜美専務(41)。館長の鎌田松子さん(72)は「味来館のファンが増えるよう元気に働いていきたい」と話す。

 6日は先着100人に棚田米を使った「でぐ餅」と手作りあられを各先着100人に振る舞う。営業時間は午前9時〜午後4時半(月、火定休)。問い合わせは0233(34)6001。