荒れる日本海側、難しいマガキ養殖 鶴岡・加茂水産高が挑戦中
山形新聞6/13(金)17:03

マガキの生育状況を確認する生徒たち=鶴岡市・加茂港
鶴岡市の加茂水産高(小山和彦校長)の生徒が、同市加茂でマガキ養殖の実証事業に取り組んでいる。県外の関連企業と連携したプロジェクトで、5月には海中に千個の「種苗(幼生)」を設置。生育時の海洋データを解析しながら新たな漁業の可能性を探る。
本県では夏の味覚としてイワガキが知られている一方、冬に荒れる日本海側の環境などを背景に、マガキの養殖は難しいとされてきたという。同校は養殖の知見を持つ企業「リブル」(徳島県)とつながりを持ち、昨年度に養殖の実証を始めた。
養殖方法は従来の専用装置を用いた「つり下げ式」ではなく、横に細長い1メートルほどの籠を使用。人工的に生み出した種苗を中に入れ、海中に沈めて育てる。欧米やオーストラリアで採用されている方法で、ノウハウを持つリブルは年中の出荷を可能にしている。
昨年度は夏の海水温の影響などを受けたため、9割ほどが死滅した。本年度は種苗を入れる時期を夏から5月に早めたほか、設置場所は加茂レインボービーチに加え、県漁業協同組合の許可を得て加茂港内を増やした。沖合に近い港内は餌となるプランクトンが多いという。
12日には3年生3人が、リブルのスマート養殖推進事業室長の岡田翔太郎さん(34)の助言を受けて生育状況を確認した。籠一つ当たりのマガキの重さは当初60グラムだったが、ビーチ内で300グラム、港内で500グラムに増量した。今後は生育環境を整えるために大きさごとに選別し、籠を入れ替える作業などを実施する。
現在は1個当たり約1グラムで、一般的には6カ月から1年で出荷に適した50グラム前後に成長する。専用機器で日々の塩分濃度や海水温などのデータを蓄積。成長との関係を分析し、養殖が可能かを見定める。伊藤笑太朗さん(18)は「加茂でうまくいけば、他地域にも広げることができる。小まめに調査し、モデルをつくりたい」と話していた。




