最上川と日向川・月光川、流域治水が本格化 緊急対策810億円、酒田で着工式
山形新聞6/16(月)9:34

着工を宣言するライトのスイッチを代表者が押した緊急治水対策プロジェクトの合同着工式=酒田市・ガーデンパレスみずほ
庄内・最上両地域を中心に甚大な被害をもたらした昨年7月豪雨を受け、国や県などがそれぞれ推進する最上川下流・中流と日向川・月光川水系の両緊急治水対策プロジェクトの合同着工式が15日、酒田市のガーデンパレスみずほで行われた。昨年と同規模の洪水に備えるため、国と県が一体となって取り組む。出水期を迎え、事業費計約810億円に上る流域治水対策が本格化する。
1級河川の最上川下流・中流は、国が約450億円、県が約200億円を支出し、事業費は計650億円程度を見込む。堤防やダム機能の強化、浸水した竹田排水機場(酒田市)の復旧・耐水化、戸沢村での集団移転などを含む22項目を2029年度までに実施する。
2級河川の日向川・月光川水系は、県、鶴岡市、酒田市、遊佐町などで構成する「県二級水系流域治水協議会」が主導し、事業費は約160億円。氾濫した荒瀬川の河道掘削や土砂の撤去、土石流が発生した小屋渕川での砂防堰堤(えんてい)の整備など12項目の対策を28年度までに進める。
合同着工式には国や県、関係機関から計約70人が出席し、吉村美栄子知事が「豪雨災害の激甚化、頻発化を踏まえ、流域全体が連携し、ハード、ソフト両面で一体となった治水対策を推進していくことが重要だ」とあいさつした。吉村知事のほか、藤巻浩之国土交通省水管理・国土保全局長や酒田、遊佐、庄内、戸沢の4市町村の首長らが着工を宣言するライトのスイッチを押した。
緊急を要する最上川護岸の復旧工事(酒田市)など、プロジェクトの一部は既に始動しており、他の事業も随時進めていく。
◇2024年7月豪雨 昨年7月25〜26日の記録的な大雨により、最上川や日向川・月光川水系の複数の河川が氾濫し、警察官2人と高齢女性の計3人が死亡し、4人が負傷した。浸水や土砂による倒壊などで住宅計1642棟が被災したほか、農地への土砂流入など農業被害も大きく、被害総額は計約1116億円に上った。鉄道も土砂流入などのため、JR陸羽東線の一部区間では運転再開のめどが立っていない。




