農林水産省は、2023年秋以降に発生した今シーズンの高病原性鳥インフルエンザについて調査報告書をまとめた。農場での衛生管理が功を奏し、発生件数や殺処分数は過去最多だった昨シーズンから9割前後減少した。一時高騰した鶏卵価格も下落傾向にある。

 鳥インフルは昨年11月〜今年4月、10県で11件発生し、約85万6000羽が殺処分の対象となった。26道県で84件発生した昨シーズンに比べて件数は87%減、殺処分数は95%減となった。減少要因として、報告書は野鳥の行動変化なども考えられるとしつつ、「衛生管理の向上が貢献した可能性がある」と指摘した。

 一方、不十分な消毒や防鳥ネットの不備などでウイルスが持ち込まれた例も確認されているとし、対策の徹底を求めている。

 鳥インフルの流行で上昇した鶏卵価格は落ち着きを取り戻しつつある。農水省の食品価格動向調査によると、鶏卵(サイズ混合・1パック10個入り)の6月の全国平均小売価格は246円で、前年同月より19%下がった。