自民党衆院議員の河井克行・前法相(56)(広島3区)の妻・案里参院議員(46)(広島選挙区)の陣営が、昨年7月の参院選で車上運動員らに違法な報酬を支払っていたとされる疑惑で、広島地検は15日、公職選挙法違反容疑で、広島市内にある河井夫妻の各事務所などの捜索を始めた。地検はすでに複数の運動員から事情を聞いており、全容解明のために強制捜査が必要と判断した。

 市民団体などが河井夫妻や陣営関係者について、公選法違反(買収)容疑で地検に告発状を出していた。

 告発状では、河井夫妻らは、案里氏が初当選した昨年7月の参院選で、複数の車上運動員に対し、公選法施行令で定められた上限額(1日1万5000円)を超える3万円の日当を支払った疑いなどがあるとしている。克行氏は案里氏の選挙運動を支援し、事務所に出入りしていた。

 疑惑は昨年10月末、週刊文春の報道で発覚。これを受け、克行氏は法相を辞任した。夫妻は当初、疑惑について説明するとしていたが、その後、国会など公の場には姿を見せていない。案里氏は昨年12月、「適応障害のため約1か月の療養が必要」とする診断書を提出し、国会を欠席していた。

 広島市中区の案里氏の事務所があるビルでは15日午前10時半過ぎ、車で到着した地検関係者数人が、捜索に入った。事務所前には報道陣が集まり、通行人が「何があったのか」と、足を止めて様子をうかがっていた。

 克行氏は広島県議を経て、1996年の衆院選で初当選。2000年の衆院選で落選したが、03年に返り咲き、現在7期目。19年9月に法相として初入閣していた。

 案里氏は01年に克行氏と結婚。03年の県議選で初当選し、09年には知事選に挑戦したが敗れた。11年に県議に返り咲き、昨年7月の参院選で初当選した。