学校で使われなくなった「休眠楽器」、修繕してレンタル…市の担当者「次の扉を開けるきっかけに」

読売新聞6/20(金)15:00

学校で使われなくなった「休眠楽器」、修繕してレンタル…市の担当者「次の扉を開けるきっかけに」

学校で使われなくなった管楽器を修理している塚本さん(左)(浜松市中央区の楽器店「バルドン楽器」で) 【読売新聞社】

 部活動などで使用されなくなった学校の「休眠楽器」を修繕し、活用する取り組みを浜松市が始めた。少子化や教員の働き方改革、放課後の過ごし方の多様化などの影響で全国的に吹奏楽部は減少しており、市は市内外への楽器貸し出しや小学校での演奏体験会などを通し、「子どもが音楽に親しむきっかけを作りたい」としている。(浜松支局 中島和哉)

 同市中央区の楽器店「バルドン楽器」には、貸し出し用に用意されたコルネット、トロンボーン、アルトホルン、ユーフォニアム、チューバの5種類の管楽器が並ぶ。かつて市内の小学校で使われていたもので、レンタル価格は30日間で楽器によって1100円〜5500円(税込み)。市の担当者は「期間内に返却できるなら、海外へのレンタルにも応じます」と笑顔を見せる。

 取り組みの背景にあるのは、吹奏楽部の減少で音楽とふれあう機会が減っていることへの危機感だ。全日本吹奏楽連盟の集計では、全国の小学校の吹奏楽部・クラブなどは2013年の1173団体をピークに、今年1月には803団体と3割以上減少。浜松市立小学校では20年度の61校から24年度は5校に激減した。

 市が23、24年度に調べたところ、市内36校で約900本の管楽器が使われずに放置されていることが判明。調査にあたった同店の塚本圭司社長(53)は「管楽器は半年放っておくと、さびたりカビたりする。多くの休眠楽器があったのは悲しかった」と話す。

 市の委託を受け、同店は状態が良好な72本を修理。昨年末に試験的に貸し出すと、「トロンボーンを吹いてみたい」「息子や孫にも体験させたい」と好評で、今年度から本格的に開始した。子どものためにコルネットを借りた静岡県磐田市の女性(44)は「管楽器は高価で、お試しの段階で買い与えるのは難しいので大変ありがたかった」と話す。

 再生させた楽器を使った小学校での演奏体験会も開始。今年度は大型商業施設での開催も計画している。県外の大学や楽器店からも問い合わせが来ているという。市創造都市・文化振興課の担当者は「吹奏楽は、仲間と一つのものを作り上げる楽しさを学べる教育効果の高い体験。楽器教室や演奏の鑑賞に行くなど次の扉を開けるきっかけになれば」と語っている。

 問い合わせは、バルドン楽器(053・473・0256)へ。

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