「宇宙ごみ」除去の国際ルール主導へ、政府が「有志国グループ」構想…宇宙ビジネス拡大図る
読売新聞6/20(金)15:00

読売新聞 【読売新聞社】
【ジュネーブ=船越翔】政府は宇宙ごみ除去の国際ルール整備に向けて、課題などを協議する有志国グループの創設に乗り出す。宇宙ごみの除去技術で優位性を持つ日本が国際ルールの確立を主導し、宇宙空間の安全性を確保することで宇宙ビジネスの市場拡大を図る。
宇宙政策を担う城内科学技術相が、25日にウィーンで開かれる国連会合で表明する。
宇宙ごみは、寿命が尽きた人工衛星や打ち上げ後のロケットの残骸などで宇宙空間を高速で漂っている。近年、宇宙開発の活発化に伴い急増中で、米航空宇宙局(NASA)によると、現在、大小合わせて2万個以上の物体が存在している。
運用中の衛星や国際宇宙ステーション(ISS)への衝突リスクがあるとして、国連の宇宙空間平和利用委員会は2007年、指針を策定。探査機や衛星を打ち上げる際は、宇宙ごみを新たに発生させない設計にすることなどを各国に求めた。
ただ、指針に法的拘束力はなく、各国の自主的な対応に委ねられている。既に発生した宇宙ごみ除去に関するルールはないため、宇宙ビジネスに参入したい企業の懸念材料になっている。
日本では新興企業「アストロスケール」(東京)が衛星のロボットアームなどで宇宙ごみを捕獲し、大気圏に落として燃やす独自の除去技術を開発中で、この分野で世界をリードする。
そこで政府は、宇宙ごみ除去の重要性を認識する国と連携し、国際ルール整備に向けた作業に着手することにした。他国の宇宙ごみを除去する際の法的問題などを検討し、将来的に国連の新たな指針作りに反映させる。有志国グループの創設メンバーには、国際ルール整備に理解のある英国やニュージーランド、宇宙ビジネス参入を目指す途上国などを想定している。
除去技術は他国の衛星を無力化する技術にも転用可能なため、日本主導で国際ルールを早期に確立する。「宇宙強国」を目指す中国に先行し、宇宙空間の秩序作りを進める思惑もある。












