【ワシントン=向井ゆう子】米NBCニュースは29日、11月の米大統領選からの撤退を否定している民主党のジョー・バイデン大統領(81)の最終判断にジル夫人の意向が影響を与えると報じた。家族の事情に詳しい人物が「最終的な影響力を持つのはファーストレディーだ。彼女が必要だと決断すれば、方針変更が行われるだろう」と述べた。

 バイデン氏は27日、共和党のドナルド・トランプ前大統領(78)とのテレビ討論会で不安定な言動を示し、高齢不安が加速した。民主党内からは候補差しかえを求める声が出ている。有力紙ニューヨーク・タイムズも社説で撤退を求めた。

 報道によるとバイデン氏は30日に大統領山荘キャンプデービッドで家族と対応を協議する。ホワイトハウス側は、家族との集まりは以前から決まっていたとして報道を否定している。

 再選への意欲を示すバイデン氏は29日、資金集めの集会に出席した。AP通信によると選挙参謀らは29日、民主党地方組織幹部らと電話会議を行い、更なる支援を求めた。出席者からは、バイデン氏側が事態の深刻さを「真剣に受け止めていない」との不満が出ているという。