【ドレスデン聯合ニュース】ドイツ東部ドレスデンの民族博物館で1日(現地時間)、旧日本軍の慰安婦被害者を象徴する「平和の少女像」の展示を含む企画展が終了した。ドイツの公共博物館での少女像展示はこれが初めてだった。レオンティーネ・マイヤー・ファン・メンシュ館長は、展示の意図は「反日」ではなく「記憶の文化」だったが、日本から驚くほど強い圧力をかけられたと、聯合ニュースのインタビューで語った。

 4月半ばに始まった企画展は戦争や暴力の経験と被害体験の克服をテーマとし、ナチスのユダヤ人虐殺なども取り扱った。

 少女像は移動式と青銅製の2体が展示された。企画展開幕にあたっての記者会見の前日、ドイツにある日本大使館の文化担当公使は少女像の撤去を要請する書簡を博物館に送ってきた。続いて、少女像撤去を求める電子メールが1日100通以上殺到した。日本や米国、ドイツ国籍だという人たちからのメールだった。

 スタッフに大量のメールが送られてきたことから、博物館側は地元の犯罪捜査当局に捜査も依頼した。

 館長は区と市、連邦政府の圧力もあったとして、外交的なレベルに発展したとの見解を示した。

 日本大使館に対してはメールの送信をやめるよう何度も要請したが、大使館側が送ったものではないとの返答が繰り返されるだけだった。博物館側がドイツ外務省を介して日本大使館側に同様の要請をしたところ、送信がやんだという。

 館長が最も戸惑ったのは、少女像展示の意図を反日と受け止められたことだ。館長は「慰安婦をはじめ、トラウマとなる記憶に対する沈黙を破ることで、個人的な記憶と集団的な記憶の相反する要素を消化する『記憶の文化』について語りたかった」と強調した。「記憶の文化」の手本として、1991年8月14日に韓国人女性が旧日本軍慰安婦としての被害を初めて公の場で証言したことを機に他の被害者も証言に立つようになり、市民社会による解決への努力につながったことを挙げた。

 企画展はナチス支配下のドレスデンでのユダヤ人虐殺を含め、世界各地の戦争や暴力の被害と、これを沈黙させるトラウマに照準を当てた。会期中にはドイツ政府が20世紀初頭に当時ドイツ領だったナミビアでの虐殺を謝罪している。

 館長によると、日本に対し記憶の文化を議論するラウンドテーブルや討論会などへの参加を提案したが、拒まれた。館長はドイツにはユダヤ人虐殺に関する記憶の文化があるとしながら、日本政府はドイツ政府の姿勢から学ぶ必要があると指摘した。

 また、「日本は慰安婦問題を巡り韓国に正式に謝罪したというが、1回の言及、謝罪で解決する問題ではない」とした。繰り返し語ることで、個人的な記憶と、共同体、国家としての記憶の間で相反する感情と緊張を整理していかなければならないと強調した。

 今回の展示を通じて、圧力にさらされても姿勢を崩さないことの大切さと難しさを実感したという。観覧者からは慰安婦問題を初めて知ったという声も多く、手ごたえを感じた。「少女像の展示はとても大きな変化をもたらし、その変化は現在進行形」と語った。