【ソウル聯合ニュース】新型コロナウイルスの感染者とみられる発熱者が続出する北朝鮮で、住民が読む朝鮮労働党機関紙・労働新聞がここ数日、新型コロナワクチンの効果に懐疑的な見方を示している。同紙は一時、ワクチンの効果に言及しており、北朝鮮が海外からの支援を受け入れる可能性もあるとされたが、発熱者数の増加の勢いが鈍化したことからワクチンは必要なしと判断したようだ。 

 労働新聞は24日、「製薬会社が各種の変異ウイルスに対応するワクチンを開発しており、治療薬も開発されたが、世界的な範囲で利用できるのかということが疑問視されている」と指摘した。政府機関紙の民主朝鮮も前日、海外でのワクチン開発に関し「絶対的に安定した生活環境への楽観と信頼をもたらすにはあまりにも不十分」との認識を示した。

 これらの記事は、世界中でワクチン接種が進んでいるものの接種後でも感染する人が多いことを指している。労働新聞は21日付の紙面でも、ワクチンを3回接種した人まで感染していると指摘した。

 だが同紙は17日付の紙面では「ワクチン接種を進めなければならない」とし、翌日も「ワクチン接種は死活に関わること」などとワクチンを評価していた。

 これを受け韓国情報機関の国家情報院は、「ワクチンに対する北の以前の立場は『特に効果がなく、接種の必要がない』だったが、17日付の労働新聞が『ワクチン接種もコロナを防ぐのに効果がある』と報じたことを起点に、公式的に変化し始めた」と分析した。

 ところが北朝鮮はワクチンの効果に疑問を呈した。全面的な封鎖・隔離措置により、このところ新規発熱者がやや減っていることが背景にありそうだ。北朝鮮の国家非常防疫司令部によると、新たな発熱者数は20日の約21万9030人から減少が続き、23日は約13万4510人に下がった。23日は死者も報告されなかった。

 韓国と米国はワクチンと医薬品を提供すると呼び掛けているが、北朝鮮は応じていない。友好国の中国から防疫関連物資などを緊急調達する程度でこのまま持ちこたえるとの見方も出ている。