【ソウル聯合ニュース】韓国大法院(最高裁)が26日、合理的な理由なく年齢だけを基準として適用した「賃金ピーク制」を無効とする判断を示した。賃金ピーク制は雇用または定年延長を保障する代わりに一定の年齢以降の賃金を引き下げる制度で、公共機関と大企業で広く取り入れられている。これらの産業現場では今後、賃金ピーク制の見直しを余儀なくされそうだ。

 大法院はこの日、研究機関の退職者が在職中の賃金ピーク制適用によって減った賃金の支払いを元勤め先に求めた訴訟の上告審判決で「高齢者雇用法の規定内容と、雇用において年齢を理由とする差別を禁じて憲法上の平等権を実質的に具現化するという制定趣旨を考慮すると、(年齢差別禁止の)条項は強行規定にあたると見なさなければならない」と述べた。高齢者雇用法には、合理的な理由なく年齢をもって労働者を差別してはならないとする条項がある。

 大法院はまた、たとえ労使が賃金ピーク制導入に合意したとしても、導入目的に正当性と必要性があるか、賃金の実質的な減少幅と減少期間がどの程度か、賃金減少につりあう業務量・水準の軽減があったかといった点から賃金ピーク制導入に伴う措置の適正性を見極める必要があるとした。

 韓国社会は高齢化が進み、従来の年功序列の賃金制度では生産性の向上に影響が出る。そこで企業の負担軽減と雇用安定を目的に2000年代に登場したのが賃金ピーク制だった。当初は公共機関など一部での導入にとどまっていたが、13年に高齢者雇用法が定年の60歳以上への引き上げを柱に改正されると導入が加速。改正法が施行された16年には公共機関が全て導入を終え、民間でも従業員300人以上の企業の約47%が取り入れた。

 だが、高齢の労働者の雇用を保障しつつ新規採用を拡大するという本来の目標は達成されていないと批判する声が上がっている。年齢を理由に労働者を賃金面などで差別できないとした高齢者雇用法に違反するとの指摘もあった。大法院は今回初めて、高齢者雇用法との関係を取り上げ、賃金ピーク制の有効性の基準を示した。