【ソウル聯合ニュース】日本による植民地時代の韓国人徴用被害者に訴えられた日本企業が一審で勝訴しながらも控訴審で無対応を貫き、裁判が空転している。

 ソウル高裁は18日、徴用被害者17人が三菱重工業や住石マテリアルズなど日本企業7社を相手取り損害賠償を求めた訴訟の控訴審の第1回口頭弁論を開こうとしたが、被告側に訴訟記録が送達されていないため弁論期日を延期した。同高裁は、ひとまず10月20日まで待ち、それでも送達されない場合は別の方法を講じる必要があると説明している。

 2015年に被害者と遺族84人が日本企業17社を相手に訴えを起こし、一審は昨年6月、「韓国の国民が日本や日本国民に対して持つ個人請求権は韓日請求権協定によって消滅、放棄されたとはいえないが、訴訟で行使することは制限される」として原告の訴えを却下した。これを不服として一部の原告が控訴していた。

 この一審判決は徴用被害者の訴訟を起こす権利と日本企業の賠償責任を認めた韓国大法院(最高裁)の判例に真っ向から反するもので、物議を醸した。

 一方、ソウル中央地裁もこの日、徴用被害者の子ども4人が日本製鉄を相手取り損害賠償を求めた訴訟の控訴審口頭弁論を開こうとしたものの、被告側に書類が送達されていないため延期した。

 この訴訟の一審では、消滅時効が成立したとの理由で原告が敗訴した。民法上、損害賠償の請求権は加害者が違法行為を行った日から10年または違法行為による損害と加害者を被害者が知った日から3年が過ぎると消滅する。

 原告は19年に提訴したが、一審は大法院が日本企業の賠償責任を認める判決を出した12年から3年以上が過ぎているため時効が成立したと判断した。

 ただ、別の裁判所は大法院の12年の判決が差し戻し審を経て確定した18年を基準に時効を計算すべきと判断を示しており、上級審で判決が覆る可能性がある。

 この日に口頭弁論が予定されていた2件の訴訟はいずれも、被告が一審では訴訟代理人を選任して対応していたが、控訴審になってからは送達を受けず、代理人も選任していない。裁判所は、送達する内容を裁判所の掲示板や官報に掲載することで内容が伝わったとみなす「公示送達」の手続きを取った後に裁判を進めることができる。