【ソウル聯合ニュース】韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は30日午後、ソウルの大統領室で北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長と会談した。ストルテンベルグ氏は現在のウクライナの状況を説明し、韓国の持続的な支援に謝意を表した。これに対し、尹大統領は「今後も(韓国は)ウクライナ国民を助けるために国際社会と協力して可能な役割を果たす」と応じた。大統領室の金恩慧(キム・ウンヘ)広報首席秘書官が伝えた。

 ストルテンベルグ氏は29日から2日間の日程で韓国を訪れている。同氏はこの日の講演で、韓国はウクライナに軍事支援を行うべきだと促したが、尹政権は非軍事的支援のみ可能だとする立場を示している。

 尹大統領の「可能な役割」という発言も、武器支援とは一線を画したものと受け止められる。大統領室の関係者は聯合ニュースの取材に対し、「武器支援を行わないという政府の立場は今も維持されている」と述べた。 

 会談で尹大統領は昨年6月の自身のNATO首脳会議出席を機に韓国とNATOの関係が急速に発展しているとして、サイバー、新技術、気候変動、防衛産業など新分野の協力を盛り込んだ韓国とNATOのパートナーシッププログラム(ITPP)成功のため関心を示すよう求めた。

 また、昨年12月に発表した韓国の「インド太平洋戦略」について説明。「自由と人権の価値連帯の上で法治と国際的規範を重視するという点で、NATOと共通点が多い」と強調した。 

 続けて、北朝鮮が核・ミサイル能力を高度化して挑発のレベルを高める中、北朝鮮の挑発を阻止するために積極的な役割を果たすよう求めた。

 ストルテンベルグ氏は韓国のインド太平洋戦略を高く評価し、「韓国・NATO間のサイバー防衛、新技術などの協力拡大のために格別の努力を傾ける」と述べた。