【光州聯合ニュース】日本企業を相手取った韓国の徴用被害者の訴訟で、一審と二審で勝訴して大法院(最高裁)判決を待つ被害者と遺族計4人が被告の三菱重工業の韓国内の資産を売却(現金化)するための法的手続きを開始した。被害者を支援する市民団体「日帝強制動員市民の集まり」が26日、明らかにした。

 同団体によると、4人は24日に訴訟代理人を通じて三菱重工業の特許権の差し押さえと現金化を認めるよう大田地裁に申請した。

 差し押さえ対象は計4件。被害者2人と遺族2人が1件ずつ申請した。一審で宣告された賠償金と遅延利息を合わせた計約6億8000万ウォン(約6900万円)に対する措置となる。

 被害者と遺族は2014年2月と15年5月に提訴。一審と二審でいずれも勝訴したが、大法院判決は3年以上引き延ばしになっている。原告4人は一審判決に関し現金化を強制執行する権利を確保しているが、さまざまな状況から実施されていない。

 原告4人は韓国政府の財団が被告企業の賠償を肩代わりする政府の解決策に反対している。4人は政府が今月6日に発表した解決策は日本の謝罪と責任を問うという訴訟の趣旨を歪曲(わいきょく)しており、これ以上、現金化の権利行使を引き延ばせないと判断。今回の申請に踏み切った。

 これに先立ち、三菱重工業を相手取った訴訟を巡り大法院判決で勝訴が確定した原告のうち存命中の2人が財団による肩代わりを拒否する内容証明を財団に送っている。