【ソウル聯合ニュース】韓国の約750万人の在外同胞に関する政策を総合的に担う「在外同胞庁」が5日、発足した。尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領はソウル近郊・仁川の同庁庁舎で開かれた発足式で「在外同胞の皆さんは母国と同胞社会が共に成長する機会の窓口を切望している。韓国はその期待に応えたい」と述べ、同庁の発足を祝った。同庁の役割について「在外同胞を保護し、支援していくのはもちろん、在外同胞と母国の間の交流と協力を促す懸け橋を担う」と強調した。

 尹大統領は「海外に定住する同胞の皆さんは世界に伸びていく韓国の大切な域外ネットワークだ」と述べ、「750万人の韓人ネットワークが密接に結び付き必要な情報と経験を共有すれば、在外同胞と韓国が共に成長し、発展していけるだろう」と期待を示した。

 また、先進7カ国首脳会議(G7サミット)のため先月に広島を訪問した際、在日韓国人被爆者と面会したことを取り上げ、「世界のどこにいようと同胞の痛みを癒やすのが国の責務だ」と指摘。近く在日韓国人被爆者を韓国に招く意向を示した。

 尹大統領は「次世代の在外同胞たちの韓国人としてのアイデンティティーを守り、母国との縁をつないでいくことは在外同胞庁の必須任務だ」とも述べ、2世、3世の同胞が韓国人としての自負心を持てるよう、同庁が優れた韓国語教育や韓国での体験プログラムを提供していくと説明した。

 庁舎を仁川に置いたことについては「仁川は120年前、ハワイへ向かう移民船が出発した在外同胞のルーツ。仁川は在外同胞庁の誘致を機に、さらに活気あふれる国際都市へと飛躍するだろう」と語った。

 尹大統領は李基哲(イ・ギチョル)初代庁長に任命状を授与し、同胞社会の発展に寄与した87人の同胞のうち4人に自ら勲章や表彰状を手渡した。