【ソウル聯合ニュース】韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は21日、昨年の水害で行方不明者を捜索中だった海兵隊員が殉職した事故に絡んで捜査に圧力がかけられた疑惑を政府から独立した特別検察官に捜査させる法案について拒否権を行使し、国会に再議(審議やり直し)を求めた。鄭鎮碩(チョン・ジンソク)大統領秘書室長が記者会見で明らかにした。

 同法案は2日、国会で過半数を占める最大野党「共に民主党」が強行採決し、可決していた。尹大統領が2022年5月に就任してから拒否権を行使するのは6回目で、法案では10件目となる。

 与党「国民の力」は同法案を受け入れられない立場を明確にしている。一方、共に民主党は尹大統領が拒否権を行使した場合、28日の本会議で採決を行う方針を明らかにしている。憲法によると、大統領が拒否権を行使した法案が再び可決されるためには「在籍議員の過半数出席と出席議員3分の2以上の賛成」が必要となる。同党は否決されれば次の国会で第1号法案として再可決を目指す方針だ。