【ソウル聯合ニュース】韓国の大統領室高官は22日、昨年11月から禁止している国内上場株の空売りを6月末に再開させる可能性について、「システムが整うまで再開しない」と述べ、違法な空売りを防ぐシステムが構築されなければ再開しない方針を改めて示した。

 当初、韓国政府は6月末まで空売りを禁止する計画だったが、システム改善と実効性のある対策が必要として、期限を設けない方針に切り替えた。尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は1月、「(空売りの)副作用を完璧に解消する電子システムがしっかり構築された時に解除する。それができなければ引き続き禁止する」と明言していた。

 ただ、空売り禁止が長期化する場合、韓国株式市場に対する世界の投資家の信頼が低下するとの指摘もある。金融監督院の李卜鉉(イ・ボクヒョン)院長は今月、記者団に「個人的には6月中に空売りの一部を再開させることを望む」として、「制度的な不備があっても利害関係者の意見を聞き、再開を推進していることを市場と意思疎通する必要がある」との見解を示した。

 空売りは株価の下落を見込んで株式を借りて売却し、利益を得る手法で、主に機関投資家や外国人投資家が手がける。個人投資家の一部は空売りが株価の下落を誘発するとして禁止を求めている。