「泣く子は育つ」という言葉がある通り元気な子供はよく泣くもの。子供は泣くのが仕事なんてことも言われるが、世間には泣いている子供に心無い言葉を掛ける人や、泣き止まない子供連れに対し入店拒否する店舗があったりと、世の親たちは心が休まる事がないのが事実だ。

そんな中、お母さん達の心のオアシスだと話題のカフェがある。群馬県に店舗を構える「mamama cafe」だ。

ここではスタッフがお母さん達が休めるよう全面協力。子供が泣くのはOK。もし泣いてしまう子が居たとしても、泣き声の大きさを測ってみたりとアトラクション化し、子育てに疲れたお母さんたちに束の間の安らぎを提供しているのだ。

 SNSを中心に話題を集めるこのカフェの店長で、子育て支援プロジェクト「泣いてもいいん会」の活動も行っている安藤さんにお話を聞いた。

橋本ダイスケ(以下「橋本」):子供が泣いてもOKとは素敵なお店ですね。開店しようと思ったキッカケは?

 安藤:カフェを運営している「globe」は元々、幼児〜小学生を対象に、異学年交流を目的としたサッカークラブを事業の柱としてきました。より良い教育環境を提供することを考え続けていく中で少子化問題があり、その解消にどうにか寄与できないかと考え、たどり着いたのが、「mamama cafe」です。

私達は母親の育児ストレスが大きすぎることが少子化や生涯未婚の一因だと考えています。家庭や地域のあり方が変わり、今では多くのお母さんが「孤育て」をしています。子供が大泣きして騒いだりしても気兼ねなくいられる空間がない。そうした状況を理解、共感しあえる仲間も作りにくい。そんなお母さんたちに時間・空間・仲間の3つの「間」を提供したいという想いから「mamama cafe」は誕生しました。

橋本:店名にはそんな想いが込められていたんですね。お客からの反応はいかがですか?

安藤:とにかくありがたいと大勢の方に喜んでいただいています。特に嬉しいのは「子供を産んでから、こんなにゆっくりできたのは初めて!」と言っていただけることが多い事です。

ここまでお子様連れのみに全振りしたお店はなかなかないので「このお店なら大丈夫!」という安心感も提供できているのかもしれません。

橋本:メニューにもこだわりがあるのでしょうか?

安藤:お子様メニューは、離乳食、手づかみ期、パクパク期、もぐもぐ期と月齢に合わせたものをご用意しています。アレルギー等の配慮も行ったメニューを多数ご用意しています。

おむすびは、ご注文時に「お母さんが食べさせてあげますか?自分で手掴みしますか?」とお伺いして、食べさせる「まぜまぜごはん」、手掴みの「おむすび」と、どちらにも対応できるようにしています。手掴み練習中でテーブルや床がお米畑になってももちろんOKです(笑)。大人メニューも、妊娠中や授乳中のお母さんの体を考慮し、塩分、乳脂肪、刺激物控えめ。お母さんに必要な栄養をバランスよく入れられるよう努めています。

橋本:お母さんの栄養も気遣ってくれるのはありがたいですね!お店では泣き声を測ったりイベントも色々されていますね。

安藤:元々、講師やお店、サロン等お招きしてさまざまな店内イベントを実施していました。また当店は保育や教育専攻の学生バイトが多いので、不定期ですが人形劇や手遊び歌などを披露しています。コロナもだいぶ落ち着いてきたので、少しずつ再開できればと思います。

橋本:今後の展望をお聞かせください。

安藤:まずは安定経営ですかね(笑)。客席スペースの半分以上をキッズスペースやベビーカーも置ける通路として確保しているため、飲食業界の常識である「客数×回転数×客単価」で収益を上げるスタイルの真逆をいっています。満席になっても半分赤ちゃんですからご注文もないですし、みなさん子供が大きくなると当店を「卒業」されてしまいます。

最近は、ドリンクとお弁当のテイクアウト専門店や、お弁当の大量注文・配達なども力を入れています。お母さん達が安心して来られる場所を永く継続していくためにも、安定収益、安定経営はマストです。お母さん達の子育て支援をしてる「泣いてもいいん会」は、趣旨に賛同して一緒に活動してくれる仲間がほしいというのが正直な所です(笑)。

群馬県内だけでなく、全国からご賛同いただき、活動の必要性を感じています。類似プロジェクトは多数ありますが、我々の強みは「ここに行けば安心!」という店舗を持っていること。全国一斉泣きリンピックを開催することが目標です。

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安藤さんのお話からは、子供に対する深い愛情と、親たちの苦労を労いたいという想いの強さを感じた。安藤さん達の活動が実を結び、子供達も笑顔で暮らせるような、優しい世界になる事を祈るばかりだ。

(よろず〜ニュース特約・橋本ダイスケ)