大阪府堺市の堺泉北港で22日午前、死んだクジラを陸に引き上げる作業が行われました。この後、近くの廃棄物処理場に運び、土に埋めるための準備を進める予定です。

 堺市西区の岸壁付近に船で曳行されたクジラの死骸は、午前9時40分ごろから、大型のクレーン船によって海面から吊り上げられ、約1時間後、ブルーシートが敷かれた大型トラックの荷台に直接降ろされました。

 クジラは、全長約15.5m、体重約40トンのオスのマッコウクジラで、当初推定されていたものよりも大きかったということです。1月12日に、神戸市の六甲アイランドの沖合で目撃されると、その後、兵庫県西宮市や大阪市の舞洲の周辺など、大阪湾で相次いで目撃されていました。

 1月下旬以降は約1か月にわたり、堺市の堺泉北港にとどまっていましたが、2月19日に、死んだことが確認されました。死因は「餓死」とみられ、体内の栄養がなくなり、体温が低下したとものとみられています。

 大阪府は、死骸の処理について、「焼却する」「土に埋める」「海の中に沈める」のいずれかの方法で処理することを検討していましたが、費用が抑えられ、作業が比較的、短い期間で終えられることから、土に埋めることを決めました。1〜2年程度埋めた後、クジラの骨格を取り出し、大阪市立自然史博物館に提供することを検討しています。

 クジラの死骸はトラックで近隣の廃棄物処理場に運ばれ、1月25日まで研究員による解剖や標本の採取などが行われた後、26日から地中に埋められる予定です。

クジラの引き揚げ作業(22日午前)

 現地を視察した大阪府の吉村知事は、「当初想定してたよりも非常に大きい。過去にも死亡事故が起き、クジラを移動させるのは危険と聞いていたが、大きな岩のようで、本当にそうだと思った」と話しました。

 大阪湾では去年1月に大阪市の淀川の河口付近に迷い込んだマッコウクジラ(=通称「淀ちゃん」)が発見の4日後に死んだことが確認され、和歌山沖に運ばれて海に沈められました。

 吉村知事は、2年連続で大阪湾内に迷いこんだクジラの対応をとることになったことについて、「野生生物の動きなので(考えうる対策は)今の段階では正直ない。他の船舶の航行という意味でも、安全を第一にした対策をとれれば」と語りました。