【速報】「精神疾患は“詐病”」元少年に二審も『懲役18年』15年前の神戸男子高校生殺害事件 大阪高裁

読売テレビニュース6/20(金)11:04

【速報】「精神疾患は“詐病”」元少年に二審も『懲役18年』15年前の神戸男子高校生殺害事件 大阪高裁

堤将太さん

 15年前、神戸市で男子高校生を殺害した罪に問われている元少年の裁判の控訴審で、大阪高裁は20日、元少年の控訴を退け、一審と同じ懲役18年の判決を言い渡しました。

 大阪高裁は判決で「元少年の精神疾患は“詐病”であり、完全責任能力があると認めた鑑定の信頼性は揺るがない。あまりに理不尽な動機に基づく残忍な犯行であり一審の判断は相当だ」と理由を述べました。

 判決後、男子高校生の父親は「とにかくほっとしました」と話す一方、被告はこの日も出廷せず、「未だ名前も公表しない。被告人はいま32歳。それを踏まえてどうなのかという思い」と心境を語りました。

■事件から11年…逮捕された男殺意を否認 当時17歳で実名明かされず

一審判決時の元少年の被告

 2010年10月、神戸市北区の路上で、堤将太さん(当時16歳・高校2年生)は、交際していた女子中学生と話していたところ、男に刃物で刺され死亡しました。

 男は逃走し、両親らが解決の手がかりを掴もうと情報提供を求め続けた末、事件から11年後の2021年8月、殺人の疑いで逮捕されたのは事件当時17歳の元少年でした。

 その後、元少年は殺人罪で起訴され、2023年に一審の神戸地裁で裁判員裁判が始まった時には30歳になっていましたが、少年法の規定で、逮捕当初から一貫して実名は明かされていません。

 裁判で元少年の被告は、「男性を複数回刺したのは事実です。殺すつもりはありませんでした」と殺意を否認し、弁護側は「刑事責任能力が完全にはなかった」と主張しました。

 検察側は懲役20年を求刑した中、神戸地裁は判決で、殺意と完全責任能力をともに認め、懲役18年の判決を言い渡しました。

■元少年「刑が重すぎて不当」 遺族「罪と向き合おうとせず、やりきれない思い」

 その後、元少年側は「刑はあまりに重すぎて不当だ」などとして控訴。事件当時の少年法が定めた「無期刑相当の場合でも有期刑を科すことができ、その上限は15年」とする規定ではなく「刑法の有期刑の上限20年」を根拠に一審では量刑しているとして法令適用の誤りを指摘したうえで、改めて刑事責任能力の程度を争うとしています。

 今年4月、大阪高裁で始まった控訴審で元少年本人は出廷しなかった中、堤将太さんの父親・敏さんは証言台に立って意見陳述を行い、「被告は、いまだに罪に向き合おうとせず責任から目をそらし続けています。私たち遺族は本当に苦しく、やりきれない思いで今日を迎えています」と訴えました。

 その後の会見で、敏さんは元少年が出廷しなかったことについて、「他人事と考えているのでしょう。反省しているとか、悔いているとか、そういう思いがあるならば来るべき」と心境を語っていました。

■大阪高裁は控訴棄却も…遺族「懲役18年も納得できるものではない」

大阪高裁(20日)

 20日の判決で大阪高裁は、「元少年の精神疾患は詐病の可能性が高く、完全責任能力があると認めた鑑定の信頼性は揺るがず、一審の判断は合理的だ」とし、弁護側が主張する法令適用の誤りについて、「その後の法改正の趣旨などに照らしても、一律に原則懲役15年を超えられないと考えるのは困難」と指摘しました。

 弁護側の量刑不当の主張についても、「あまりに理不尽な動機に基づく残忍な犯行であり、一審の判断は相当だ」として、元少年の控訴を棄却しました。

父の堤敏さん

 判決後、敏さんは大阪市内で会見を行い、「懲役18年という刑自体は納得できるものではない。二度と社会に出さないでほしいぐらいの思いもあるが、今はこれが限界かなという思いもある。(被告が出廷しなかったことについて)被告は司法自体もなめているのだと思う」と話しました。

 また、敏さんは、「今はずっと講演活動などをしている。そういう活動をこれからも続けることが、事件に対して、将太に対してもできることなのかなと思う。将太が帰ってくることはないので、一人でも被害者を減らすということをしたい」と胸の内を明かしました。

 一方、元少年の弁護人は取材に対し、「今後のことは被告本人と話して検討する」としています。

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