ジブリパークのネコバス事業者 盲導犬拒否問題で障害者らと意見交換

松永佳伸
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 「ジブリパーク」がある愛・地球博記念公園(愛知県長久手市)で運行されている「ネコバス」の車両に、盲導犬を連れた利用者が乗車を断られた問題で、運行する事業者は23日、障害者団体などと意見交換をした。

 車両は、スタジオジブリ制作の「となりのトトロ」のキャラクターを模したもので側面に囲いがない。3月の全面オープン当日に運行を始めた。

 意見交換には、目や耳に障害がある人や車いすを利用する人が参加。盲導犬や聴導犬介助犬と試乗し、チケットの購入方法も確認した。

 目の不自由な人は、「券売機に音声案内があると便利だが、近くのスタッフに声をかければ大丈夫だった」と話した。盲導犬もおとなしく車両に乗っていた。

 長久手市にある介助犬訓練施設の職員は「介助犬のスペースが確保されているか確かめたかった。乗り降りに少し不安もあるが、今回の問題を受けて補助犬への理解が進むことを期待したい」と話した。運行事業者の担当者は「広く意見を聞きながら、改善できるところから取り組んでいきたい」としている。

 公園を管理する県によると、3月16日の運行初日に盲導犬を連れた利用者から乗車の申し出があったが、現地スタッフが側面に囲いがない車両から犬が飛び出す危険があると判断し、断った。

 苦情を受け、運行事業者が福祉関係者に確認したところ、訓練された盲導犬が走行中に飛び降りることはないことがわかり、同月29日から受け入れていた。

 ネコバスは、外周通路約1.9キロを10分ほどかけて走る「公園施設」との位置づけで公共交通機関ではないという。

 また、車いすを利用するAJU自立の家「わだちコンピュータハウス」=名古屋市昭和区=の石田長武所長は「障害者だと券売機に小銭を入れる時に少し苦労する。乗り物自体は車いす対応になっていて乗降には不安がなかった。利用者の意見を聞き、改善につなげてほしい」と話した。(松永佳伸)

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