高校生が出会った鈴木三重吉 童話集にイラスト 広島の中央図書館

興野優平
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 広島市出身の作家、鈴木三重吉(1882~1936)の新たな童話集を、広島市立中央図書館が刊行した。若い人たちの手に取ってもらおうと、収録された13話に市立基町高校の生徒12人がイラストを描いた。令和の高校生は、100年前の童話をどのように読んだのか。

 中央図書館には広島文学資料室があり、鈴木三重吉を核として、広島ゆかりの作家21人の資料を所蔵している。鈴木は夏目漱石の門下生で、児童文芸誌赤い鳥」を創刊したことで知られる。

 その作品群から図書館職員が13話を選び、現代仮名遣いに改めた上で、基町高校創造表現コースの生徒にテキストを提供。描いてもらったイラストをあしらい、この春、一冊の本にまとめた。

 庭のバラに害をなすカタツムリは、潰しても良いのか。短編「かたつむり」は、少年の葛藤と意外な結末を描く。イラストを担当した2年の辻明利さん(16)は、「なぜカタツムリをひどい目に遭わせないといけないのか、と悩む主人公は生き物を全部平等に見ている。そこに共感した」と話す。

 童話集は図書館で借りられるほか、ホームページ(https://www.library.city.hiroshima.jp/akaitori/webdeyomu/index.html別ウインドウで開きます)からもPDFで読める。(興野優平)

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