穏やかな能登へ、被災地の復興願う写真展 生駒市職員らが撮影

能登半島地震

神田剛
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 能登半島地震で被災した石川県穴水町の支援に派遣された奈良県生駒市職員による写真展が、生駒駅前図書室(同市北新町)で開かれている。被災地への思いと防災意識の高まりを願って企画が実現した。

 市広報広聴課の泉昂佑(こうすけ)さん(31)は、1月下旬から10日間、被災地支援のため穴水町に派遣された。現地では避難所で支援物資の搬入や配膳、洗濯機の設置などに携わった。

 泉さんは町職員の仕事を手伝う傍ら、持参した一眼レフカメラで町の様子を撮影。1階部分が押しつぶされた住宅や、正月用の飾りの残る神社、支援物資で埋まった図書館、スプレーで壁に書かれた応援メッセージなどをとらえた。シャッターを切った中で特に印象に残ったのは、帰任前に撮影した穏やかな海の景色。甚大な被害との落差を痛烈に感じたという。

 派遣中に知り合った町職員からは穴水の被災状況を広く知って欲しいという声を多く耳にした。同時に海や山々の美しさ、能登カキや能登牛など食の豊かさも教わったという。

 帰任後、泉さんは担当する市の広報誌「いこまち」4月号で撮影した写真を紹介。被災地支援の継続や防災対策を訴えるために写真展も企画した。撮影した写真のパネル15枚のほか、派遣された別の市職員が撮影したものや、穴水町提供の写真計約60枚も展示する。

 泉さんは、復興への願いを込め、「豊かな自然など穴水の魅力を知っていただくとともに、防災を考えるきっかけにして欲しい」と話す。

 7日まで(6日は休館)。無料。

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 生駒市は、デジタル化の推進役として最高デジタル責任者(CDO)にアマゾンウェブサービスジャパン勤務の森本健志氏(45)を4月1日付で任命。このほど会見した森本氏はこの写真展もデジタル化してサイトなどで発信する考えを示した。(神田剛)

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