空き家購入で3年無利子の住宅ローン 箱根町がさがみ信金などと協定
神奈川県箱根町内の空き家を取得する人に特別な住宅ローンを提供します――。町とさがみ信用金庫(小田原市)、信用保証会社の全国保証(東京)が連携してそんな取り組みを始める。空き家を減らし、定住者を増やそうという試みだ。
7日に町など3者が協定を結んだ。それによると、町は空き家バンクを通じて戸建てやマンションの空き家を紹介。居住用として取得する人に同信金が専用の住宅ローンを用意する。変動金利型だが、借り入れ当初の3年は金利ゼロ。全国保証の事務手数料5万5千円が無料となるなどの優遇措置もある。
同信金や全国保証が、空き家対策で特別な融資制度をつくるのは初めてだという。
少子高齢化で箱根町でも近年、空き家が増加。5年前の調査では250軒を超えており、人口減対策に加え、防犯や景観の面でも対策が求められていた。
さがみ信金の遠藤康弘理事長は協定締結式で「地域金融機関として、目先の収益にこだわらず、地域の持続可能性を高める取り組みを広げたい」、全国保証の石川英治会長は「業務を通じて地域社会に貢献したい」と述べた。箱根町の勝俣浩行町長は「定住人口の増加に向けて強力なバックアップをいただいた。町としてしっかりPRしていきたい」と話した。(清水敬久)