樹徳、前橋商が敗れる 高校野球、春の関東大会が開幕

中沢絢乃
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 第76回春季関東地区高校野球大会(関東地区高校野球連盟主催、朝日新聞社など後援)が18日開幕し、群馬県内で1回戦1試合と2回戦4試合があった。県勢は樹徳、前橋商とも敗れた。19日は健大高崎が午後0時半から上毛敷島で宇都宮商と対戦する。

 三回表、樹徳の先発・北爪優悟(3年)はピンチに立たされていた。先頭で四球を出し、続く打者に打たれた。敬遠で1死満塁。中堅に抜ける適時打で2点を奪われた。その後は何とか後続を断ったが、四回表の先頭打者に四球を出したところで、マウンドを降りた。

 群馬県予選では背番号は10番をつけていたが、3位決定戦での活躍を買われて関東大会では1番をもらった。「チームのみんなのためにやってやろう」。気持ちは強かったが、「コントロールが全然だめだった。浮いてしまった」。

 冬はウェートトレーニングなどに取り組み、体づくりに努めた。直球は最高で136キロ。縦に落ちるフォークをこの春新たに身に付け、一回表には思い通りに三振を奪った。攻撃では二回に先制のホームも踏んだ。それだけに、「あの2点のせいで負けてしまった。チームに申し訳ない」と悔やんだ。

 夏に向けて制球力を磨くため、投げ込みをして、スクワットで下半身を強化していく。「関東大会の悔しさを夏に取り返したい」。言葉少なに、固い決意を語った。(中沢絢乃)

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 八回表、前橋商の小池絆主将(3年)は狙った内角低めの球を右前へ運んだ。二盗を決め、次打者の適時打で生還。相手に追加点を挙げられ試合は八回裏で終わったが最後まで粘りを見せた。

 「自分が出塁して後ろがかえしてくれるのがいつものパターン。プレッシャーはあったが、ここで1本が出せたのは大きかった」。守備からリズムを作るのがチームの持ち味。「当たり前のゴロを当たり前に捕る技術面をもう一度見直して、夏に向けて鍛え直していきたい」と前を向いた。(中沢絢乃)

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 関東地区大会の開会式では、春の紫紺と夏の深紅、二つの優勝旗がそろい、ともに披露された。今春の選抜高校野球大会で優勝した健大高崎の箱山遥人主将(3年)は「二つ取ってこそ本物の日本一のチーム。春優勝しても選手はまだ誰一人満足していません。春の栄光に浸ることなく、違った山に向けて臨んでいきたい。明るい赤の優勝旗、改めて欲しくなりました」と意気込みを語った。

 昨夏の選手権大会で優勝した慶応の加藤右悟主将(3年)は昨夏も右翼手、4番打者として出場していた。「紫も春っぽくていいし、健大かっこいいなと思いました。今は秋も春も勝てていないので、夏は全員で甲子園に行くことを目標にしたい」と思いを語った。(中沢絢乃)

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