カルロス・サインツ株、うなぎ上り 豪GP制覇で他の有力チームが急接近…王者レッドブルに“復帰”の可能性も【F1】
2024年3月27日 05時05分
病み上がりで24日のF1オーストラリアGPを制した、フェラーリのカルロス・サインツ(29)=スペイン=の評価がうなぎ上りだ。来季の所属先は未定で、他の有力チームが急接近。王者レッドブルにもセルジオ・ペレス(34)=メキシコ=の後任候補に数えられ、2017年まで育成ドライバーだった陣営に復帰する可能性も出てきた。開幕直前に今季限りの放出が決まった最悪の滑り出しから一転、自力でチャンスの糸口をたぐり寄せた格好だ。 (ルイス・バスコンセロス)
◆来季レッドブル復帰も!?
サインツは急性虫垂炎の手術のため、9日の第2戦サウジアラビアGPを欠場。第3戦オーストラリアGPには病院から直行し、予選2番手から通算3勝目をゲット。表彰式ではまだ完治していない腹部を見せるパフォーマンスも披露し、喜びを爆発させた。
病み上がりの奮闘に、絶対王者マックス・フェルスタッペンにふさわしい相棒を探すレッドブルのクリスチャン・ホーナー代表も心を動かされた。「あれだけのパフォーマンスを見せられると、あらゆる可能性を排除できない。ただ、チェコ(ペレス)も開幕2戦では(連続2位と)良かった。急いでいないよ」と意味深なコメントだ。
王者フェルと同期
サインツはレッドブル育成出身で、2015年にトロロッソ(現ビザ・キャッシュアップRB)からF1デビュー。同期でチームメートのフェルスタッペンとは、それぞれの父親を含めて強烈なライバル関係を形成した。18年のルノーへのレンタル移籍を経て、19年のマクラーレン移籍で陣営から完全離脱。もしレッドブル復帰となれば、チーム内のごたごたが増える可能性も秘める。
メルセデスも、フェラーリに移籍するルイス・ハミルトンの後任候補に挙げる。ただ、トト・ウルフ代表は今季からF2を戦うアンドレア・キミ・アントネッリの抜てきを計画中。秘蔵っ子の成長を見極めるため、「今は状況を見守っている」と夏休みまでは控えめな姿勢を保つ。
アロンソの後任?
アストンマーティンは、現役最年長フェルナンド・アロンソが移籍か引退した場合の後任としてリストアップ。26年からF1に参戦するアウディも、父カルロス・サインツSrが親会社フォルクスワーゲン(VW)アンバサダーを長らく務めている関係で、最有力候補に挙げているはずだ。
失意のシーズン開幕から、今や引く手あまたのサインツ。劇的な勝利で状況を好転させ、時の人になった。
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