震災の教訓、手話で伝えて 「語り部講座」6月30日開講 福島県富岡町で会合 資格者ら対象 10日まで参加募集

講座の運営に意見を交わす青木代表(右から2人目)ら

 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の教訓を手話で伝える語り部の育成講座は6月30日に福島県で開講する。共催するNPO法人富岡町3.11を語る会と県聴覚障害者協会が16日に富岡町で会合を開き、講座の日程などを決めた。ろう者と手話通訳の資格を持つ人を対象に6月10日まで参加者を募集している。

 講座は音声を聞き取りにくい人にも震災と原発事故の経験や教訓、今後の災害への備えを学んでもらえる環境をつくる目的。全4回開く。初回は郡山市で開き、語る会の青木淑子代表が講師を務める。震災と原発事故に関する基本的知識や被災者の経験などに理解を深めてもらう。

 8月18日に2回目を開き、浜通りのアーカイブ施設などを視察する。9月22日と10月14日にそれぞれ3回目と4回目の講座を開催し、語り部として適切に伝えられる表現の手法などを習得する。

 16日の会合では青木代表や県聴覚障害者協会の山田尚人副会長、小林靖事務局長らが講座の円滑な運営に向けて意見を交わした。青木代表は「誰一人取り残さない防災の実現へ、福島が先駆者になる」と決意を示した。

 講座の定員はろう者と手話通訳者それぞれ12人。

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