相馬野馬追にちなんだ兜のエッグアート制作 福島県南相馬市の横山さん

エッグアート福幸卵の兜

 卵の殻を使った手芸品「エッグアート」を手がける福島県南相馬市の横山香代子さん(75)は、相馬野馬追にちなんだ兜(かぶと)のエッグアートを制作した。「地元の祭典のPRに役立てたい」と普及を目指している。

 浪江町に自宅とアトリエを構え、手芸品の講師などを務めていた横山さんは、東京電力福島第1原発事故で二本松市や埼玉県、東京都で避難生活を送った。新しい命と再生のシンボルである「卵」を使ったエッグアートに、復興の願いを託して「福幸卵(ふっこうたまご)」と名付け、教室を開くなどの活動をしてきた。

 相馬野馬追が今年から5月開催に変更されたのに合わせ、騎馬武者の兜を題材にした作品に挑戦した。1個の卵の殻を切り分け、曲面を生かして兜を形作る。アクリル絵の具で色付けし、ひもやビーズで本物そっくりに飾り付ける。

 作品は横山さんが店長を務め、浪江町からの避難者らが交流する場としても活用している南相馬市のメナードフェイシャルサロン南相馬原町店に展示している。横山さんは教室などを開催して兜の作り方を普及させるとともに、商品化も目指している。「兜は端午の節句にも合う。『5月の相馬野馬追』を象徴する福幸卵として広めたい」と話している。

 福幸卵の問い合わせはメナードフェイシャルサロン南相馬原町店へ。

(相双版)

横山香代子さん

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