まさかこんな形になろうとは。
1日20本+α。いつもオフィスでこれだけの量の記事を手がけているギズモード編集部。長時間におよぶ編集作業、集中力が続かないときもしばしば。
しかし、時には外に出て取材に明け暮れる日もあります。その合間にも、レビュー用アイテムのチェックは欠かしません。日常的なシーンでの使い勝手を確かめるのに、デスクワーク中だけではなく外でも試すのはとっても重要なことなのです。
さて今回は、インイヤータイプのノイズキャンセリング・ヘッドホン「Bose QuietComfort 20i」を、図らずとも外でレビューすることになったとある日のこと。
普段は仲のいい二人なのですが
そんなある日。編集部の松葉と鈴木は取材帰りの道を「あの映画良かったよ」「あっちに美味しいご飯処ができてさ」と、雑談を楽しみながら河川敷の道を歩いていました。
「ところで松葉さん。最近海外でけん玉が流行っているって知ってます?」
「知ってる知ってる! エクストリームけん玉!」
「さすが副編集長。押さえてますねえ」
「俺も最近持ち歩いてるもん。日本けん玉協会の認定けん玉」
「え! 僕もですよ!」
「鈴木くんのは新富士の赤かい?俺のはTK16マスターの緑なんだよね」
「トリックとかどれくらい決められます?」
「なんでもイケるよワールドカップにも出られるね俺。娘に晴れ姿見てもらいたいしな」
「んなこと言って大皿が精一杯でしょうに。玉を回しておかないと剣先に刺せないんじゃないですか?」
「...あ、カチんときた。」
「僕なんか子供の頃からやってますからね。ブームがきたからってはじめた、ニワカが何言ってんだか」
「大きく出てんじゃねえかコノヤロウ」
「まつばんなんかラクショーですよラクショー。半年ROMっててくださいよ」
自分から話を振ったというのになんという上から目線すぎる下克上でしょうかこの鈴木。上司として、副編集長として、ここはまつばんこと松葉、引き下がれません。
「けん玉で勝負だ!」
このとき、松葉には自身の勝利を確信する秘策があったことを、鈴木はまだ知らないのです。
ボーズテクノロジーの力を借りて挑戦だ!
さあ河川敷×高架下という、電車が通り過ぎる都度、怒鳴り声すら聴こえなくなるロケーションで突如としてはじまったけん玉勝負。先攻は余裕こいていた鈴木“赤玉”選手です。
自称“ちっちゃな頃からけん玉リストで”というだけあって、小皿からの大皿からの剣先、つまり日本一周を楽にキメてきました。小皿大皿中皿剣先の世界一周も成功です。
対して後攻の松葉“緑玉”選手は、なにやらポケットからとりだしています。...ポーチ?
そこに入っていたのはノイズキャンセリング力に長けまくった「Bose QuietComfort 20i」! 雑音だらけの場所でも静音のなか集中力を高めようという手に出てきました。きたない! 大人ってきたない! そんなきたない大人に僕もなりたい!
「Bose QuietComfort 20i」を耳にセットしてさあ第一投です。
日本一周決まりました! まるではじめて成功したかのような喜びっぷりです。このうるさい場所でも集中力を切らさず、競技に集中できているようです。
しかし思わぬトコロから失敗のシナリオが
これはヤバい、「Bose QuietComfort 20i」の力を借りた松葉“緑玉”選手に負ける!と感じた鈴木“赤玉”選手、目には目を、歯には歯を、ズルい手にはズルい手を、ということでしょうか。一斗缶を叩いて、さらに大きなノイズで妨害しようとしますが、松葉“緑玉”選手はけん玉に集中したまんま。
パフパフラッパを使ってみるも、松葉“緑玉”選手は成功回数を重ねていきます。さすがボーズ史上最高の“静寂”イヤホン。リラックスの手助けにもなるノイズキャンセリング機能が強力に効いているようです。
このままでは追いつかれてしまう! こうなったら最後の手段です。
「まつばん、娘さんが彼氏連れてきたよ!」
「ばかな! うちの子に限って! というかまだ0歳だ! あっ…」
宙を舞う緑球。
まつばーん、アウトー。
「Bose QuietComfort 20i」には不快な雑音をカットしつつ、人間の声はそのまま聴こえるAwareモードが備わっているのですね。
ノイズキャンセリングイヤホンはとても便利な存在ですが、外出時にはあまりにも静寂度が高すぎるとかえって大変。スピーカーの壊れたテレビを見ているように、目の前にあるリアルを現実として認識できなくなってしまうのですから。
しかし、精神が外界と切り離されてしまわないよう、「Bose QuietComfort 20i」に用意されたAwareモードは飛行機や電車のアナウンスを聞き取ったり、オフィスでの「まつばん宛てに電話だよ」の声もつかみ取れます。外を歩いているときも、雑踏の中から声だけ選んで聞き取ることができるから、周囲の危険も察知しやすいんです。
しかし、そんな「Bose QuietComfort 20i」のAwareモードがここで効いてしまうとは...!
今日の敵は明日の友。話すときはAwareモードで
「いやー、焦りましたけどね。でもまだ僕の敵ではないですね」
「くそー、いいところまでいったんだけどなあ。というかウチの娘の話を出すのはルール違反だろう」
「ルールのことをいったら『Bose QuietComfort 20i』を使うって時点でアレですよ、大人げないですよ」
「でも『Bose QuietComfort 20i』、ほんとに効くよね。エアコンとかサーバのノイズも全部消えるから、仕事中の集中力めっちゃ高くなるし、仕事早く終わるし、早く帰れるし、娘と会えるし」
「ほんと順調に親バカですね...」
「まあけん玉の道はカンタンじゃないってことですよ。でも想像していた以上に上手いですね。今度チーム作りませんか?」
「」(ニコニコ)
「どうせだったら動画撮って音楽入れて、エクストリームな作品を発表したいですよね」
「」(ニコニコ)
「って反応してくださ...あ! Awareモードから普通のノイズキャンセリングモードにしてる! お話しましょうよ〜! さっきのはもう忘れてくださいよ〜!」
(終)
後日談。「Bose QuietComfort 20i」を試したまつばん曰く「耳元で鳴らされたガンガンパフパフの音は聴こえますけど、ほんとうに気にならないレベルですよ。突発的な嫌な音も抑えてくれる『Bose QuietComfort 20i』は本当にいいですね。ポケットにも入るし」とかなりお気に入りの様子でした。これは個人的に買う日も近いだろうな...。
image: Japan Photography
source: ボーズ
(武者良太)