Hisense(ハイセンス)が新たなULEDテレビ「U9N」を発表しました。最大75インチという巨大な画面と、ハイセンスのMini LEDによる独自技術のULEDディスプレイによる最新モデルは、日本では6月上旬発売予定とのことです。
米GizmodoのKyle Barr記者は、発表会にて実際にこのハイセンスのU9Nを見てきました。以下、レポートをどうぞ。
2024年に購入可能なminiLEDテレビは、大方すべて押さえたと思っていましたが、そんな矢先にハイセンスのULEDディスプレイの新たな最新テレビであるU9Nを見る機会に恵まれました。
このU9Nは最高級と中上流くらいのちょうど間くらいのクラスを狙ったテレビだと思うのですが、なにより5,000ニトという驚異的なピーク輝度がポイントといえます。
65インチが日本市場想定価格30万円前後、75インチが40万円前後となかなかのお値段ではありますが、次の候補としてはアリだと思います。
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その明るさに加えて、このテレビは5,300ものローカル調光ゾーンがあります。さらに、Dolby VisionとHDR 10+をサポートしており、依然として自社ブランドのHDRのみを採用しているSamsung(サムスン)のQN90D Neo QLED 4Kと比べても、わずかに有利といえますね。つまり、明るく、大きく、さらにカラフルということです。
また、U9Nは144Hzのリフレッシュレート対応なので、4Kで動作するXbox Series XやPlayStation 5には十分です。ハイセンスは、同社のHi-View Engine Xチップによって、最高級モデルである「98UX QLED」や「110UX QLED」にAIによるエンハンスメント機能を搭載すると述べています。視覚的に小さな改善となるとは思いますが、ほかの同じようなラインナップのテレビと区別するには十分かもしれませんね。
米GizmodoはU9Nを実際に見ることができましたが、設定をいじったりはできず、画面に流れるいくつかのデモ映像を見る以外はできませんでした。確かに明るくて美しく見えましたが、CESのときと同様、デモ環境以外でのテレビのテストはできなかったわけです。
テレビの全体的な明るさやグレア防止性能には確かに感銘を受けましたが、実際に目にしたときの空間を考慮すると、最高の視覚体験とはいえませんでした。
個人的に、スクリーン側面の内蔵スピーカーは高く評価しています。4.1.2chのオーディオ設定ができるので、実際にテストしてみたいとも思います。ですが、このあたりも含めて、U9Nは他社製品よりも安い価格で優れたテレビを提供するというハイセンスの伝統的な戦略を、正に引き継いでいるといえるでしょう。
コスパの高さが際立つ
さて、ここまで言及してきた性能面を、CESで発表された「U6N」、「U7N」、「U8N」と比べてみましょう。後者の2モデルではAIエンハンスメント機能が採用されるとのことですが、ピーク輝度は3,000ニトと低くなります。一方で、ゲームモードやゲームバー機能やWi-Fi 6Eは、すべてのモデルでサポートしています。
U9Nは財布への負担を軽減しつつ、最高級の視覚体験を提供しようと試みているのがわかります。
たとえば、SONY(ソニー)Braviaシリーズでは、フラッグシップモデルとして「Bravia 9」が出ました。75インチで価格は3,999ドル(約62万円)、「ソニー史上最も明るいテレビ」とも謳われています。この明るさについては実際の正確な統計などはわかりませんが、Bravia 9のローカル調光は驚くほどの可能性を秘めた技術を搭載しています。
もし、ハイセンスがディスプレイ品質においてほかのメーカーに匹敵するようなものを作り、なおかつ価格帯を維持できれば、現在非常に混沌としているQLED市場において明確な立ち位置を確立できると思います。