犯罪撲滅か? 人道支援か?
イーロン・マスクの宇宙開発企業SpaceXが提供する衛星インターネットサービス Starlink(スターリンク)。日本では領海外でもStarlinkでネットができるようになりました。
一方で海外では、5月1日までに未許可の地域でのインターネットサービスを停止すると警告が出されています。
闇取引には使われたくない
Starlinkの停止警告は、BloombergとWall Street Journalが、3月にロシア、イエメン、ベネズエラを含む国での無許可使用、ブラックマーケットでの取引に使われていると報じられた後に出されました。Starlinkのアカウント保有者には、未許可の地域でのサービス停止についてStarlinkからメールが届いています。
そのメールによると、StarlinkキットをStarlink利用可能マップで可能な地域以外で利用することは利用規約違反であり、インターネットに接続できなくなると警告されています。
避難民にとって重要な通信手段
Starlinkユーザーに送信されたメールには、未許可の地域利用では「一時的な旅行やトランジットのためのものであり、恒久的な利用は意図されていません」と説明されています。また、未許可の地域で2カ月以上Starlinkを利用したユーザーは、「アカウントの国を変更するか、サービスを注文した国に戻る」ようにとの記載があり、従わない場合はサービスが遮断されるとのこと。
5月1日、アフリカのスーダンのノースダルフール州アルファシルに住む住民は、Starlinkのネットを使って、Bloombergのインタビューに応じています。
私は今、Starlinkの接続を通じてあなたと話しています。これは、人々、特に戦争から避難している人々との唯一の手段です。
この戦争とは、スーダン軍(SAF)と準軍事組織迅速支援部隊(RSF)との間の内戦のことです。スーダンの人道支援団体は、戦争中にサービスが停止されないようStarlinkに要請しています。
多くの救急室、公共のキッチン、そして何千人もの人々が生き延びるために、Starlinkのインターネットを使用しています。
オンライン調査によれば、南アフリカの約100人のStarlink契約者のうち、73%がサービス停止日以降も利用できていることがわかりました。Bloombergによれば、スーダンの一部の契約者もサービスにアクセス可能とのことです。
Starlinkは人道支援にも闇取引にも生命線となっていて、でも無許可利用。これは難しそうですね…。