国内女子メジャー第1戦の「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」で、韓国人アマチュアのリ・ヒョソンが優勝する快挙を成し遂げた。
画像: 副賞のひとつ「久光製薬商品1年分」を手にするリ・ヒョソン(撮影/姉崎正)

副賞のひとつ「久光製薬商品1年分」を手にするリ・ヒョソン(撮影/姉崎正)

記録ずくめの勝利だった。

15歳176日は、14年に勝みなみが樹立した15歳293日を更新するJLPGAツアー史上最年少優勝。メジャー最年少制覇も16年日本女子オープンにおける畑岡奈紗の17歳263日を塗り替えた。さらに同大会での史上最年少Vでも19年の渋野日向子の20歳178日を大きく上回った。

アマチュアによるメジャー優勝は前述の畑岡以来、史上2人目の偉業だ。

女子ツアーをアマチュアが制したのも、清元登子(73年トヨトミレディス)、宮里藍(03年ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン)、キム・ヒョージュ(12年サントリーレディス)、勝みなみ(14年KKT杯バンテリンレディス)、畑岡奈紗(16年日本女子オープン)、K・ギルマン(18年センチュリー21レディス)、古江彩佳(19年富士通レディース)以来8人目。外国人ではヒョージュ(韓国)、ギルマン(アメリカ)に続く3人目となった。

ヒョソンは22、23年と韓国女子アマを連覇した逸材。今年2月のアジアパシフィック女子アマで2位に入り、4月のネイバーズトロフィ選手権では団体・個人の二冠に輝いている。

今大会は2年連続の出場で、昨年の予選落ちから1年を経ての快挙となる。賞金配分はアマチュアを除外して行うため、優勝賞金の2400万円は単独2位となった佐久間朱莉のもとへ。だが、優勝者には副賞も用意されている。今大会では「メルセデス・ベンツEQA250」「久光製薬商品1年分」「常陸牛20キロ」「つくばみらい市産コシヒカリ1年分(3俵)」などだ。

その取り扱いについてに聞くと、「アマチュア資格規則の範囲内でお渡しする予定です」とのこと。

JGAが定める同規則では「10万円以下の賞金、賞品を受け取ることができる」と定めており、その範囲に収めることになるようだ。ヒョソンはこの勝利でプロ転向のチャンスもつかんだ。18歳になるまでプロ転向できない韓国ツアーと違い、日本では今季最終戦翌日の11月25日まで会員登録ができる。

蕎麦や鰻が大好物で、マンガ「呪術廻戦」で日本語を勉強している日本大好きのヒョソンだが、本人は「まだ15歳なので、3年後にプロ転向できる年齢になる。その頃には日本ツアーで活躍できるようになりたい」と即時転向を辞退している。

今季はベテラン鈴木愛が奮闘する一方、臼井麗香、阿部未悠、竹田麗央、天本ハルカと初優勝者が続々誕生する女子ツアー。

韓国からも新星が現れ、ますます盛り上げてくれそうだ。

※週刊ゴルフダイジェスト2024年5月28日号「バック9」より

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