巨人の徹底研究、分析が実ったオスナ、村上、サンタナ封じ

スポーツ報知
4連勝で単独首位に立ち、ナインを迎える阿部監督(中央=カメラ・池内 雅彦)

◆JERA セ・リーグ ヤクルト3―4巨人(11日・神宮)

 阿部巨人が阪神を抜いて722日ぶり単独首位に浮上した。ヤクルトの強力クリーンアップ、オスナ、村上、サンタナに仕事をさせなかったバッテリーの意地、好調のチームを支える鉄壁の守備を巨人担当キャップの片岡優帆記者が見た。

 この2試合、巨人バッテリーの意地が見えた。オスナ、村上、サンタナの強力クリーンアップを計19打数2安打、打率1割5厘に抑えて連勝。前回対戦の悪夢を払しょくした。

 東京Dでヤクルトに3連敗した4月29日からの3連戦は「オス村上サン」に計35打数14安打、打率4割、3本塁打と打ち込まれた。この時、村田総合コーチが「また対策するしかないよね」と重要課題に掲げていた。スコアラー、実松バッテリーコーチ、捕手陣でデータ面の見直しなど徹底的に研究、分析して約10日後に敵地で再戦を迎えた。

 10日は先発・戸郷と救援陣が計9打数無安打とやり返した。この日も計10打数2安打。菅野が村上から2三振を奪い、7回先頭、サンタナの単打1本に打ち取った。9回、バルドナードが先頭サンタナに二塁打を許すも、走者なしで迎えたことで決定的な仕事をさせなかった。試合後、杉内投手チーフコーチは「実松コーチがだいぶ対策を練っているんじゃないですか。うまくいったんじゃないですか」と勝負のポイントに挙げた。

 具体的な対策内容はシーズン中で相手があるため、明かされることはない。だが、この2試合、前回対戦時よりホームベースの横幅を広く使って攻めているように見える。オスナ、村上、サンタナに対していずれも内角を厳しく突いて踏み込ませず、外角球を有効に利用。8回2死一、二塁で高梨が村上を二ゴロに抑えた場面もそうだった。

 4連勝で19勝15敗3分けの貯金「4」となり単独首位浮上。大きな原動力はチーム防御率リーグトップ2・28の投手陣を含めた守備面だ。7回無死一塁、長岡のセーフティーバントを坂本が華麗に処理して一塁アウト。2点リードの9回無死一、三塁でも中村のゴロを二塁にジャンピングスローして三ゴロ併殺を完成させ、阿部監督も「さすがですね」と絶賛した。

 7回1死一、三塁でも代打・青木の二ゴロで併殺を完成。三塁・坂本、遊撃・門脇、二塁・吉川、一塁・岡本和の内野陣の鉄壁ぶりを実感した。初回無死一、三塁でオスナの大飛球を佐々木が中堅フェンスに激突しながら好捕、犠飛で最少失点にしたのも大きかった。

 阿部監督は単独首位にも「いやまだまだ。これからチームがやるべきことをやるだけ」と引き締めた。チーム打率リーグ最下位の2割2分9厘、得点は5位の94、本塁打も4位の16本ながら、指揮官の掲げる守り勝つ野球が光る。これで7度目の1点差勝利。接戦を制すたびにチーム力が上がっている。(巨人担当キャップ・片岡 優帆)

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