【日本ハム】セコセコ野球で朗希攻略!新庄監督「よく徹底しました」6回5得点で逆転の秘訣…担当記者が見た

スポーツ報知
6回2死二、三塁、生還した上川畑を迎える新庄監督(左=カメラ・上村 尚平)

◆パ・リーグ 日本ハム6―3ロッテ(10日・エスコンフィールド)

 日本ハムが負ければ3位転落となる一戦でロッテに逆転勝ちし、連敗を3で止めて2位を死守した。新庄剛志監督(52)の掲げる「セコセコ野球」を武器に、相手先発・佐々木をプロワーストタイの5失点で“KO”。5回2/3で123球を投げさせるなどチーム全体で徹底した「粘り」が光り、難攻不落の怪物を攻略した。就任3年目で実を結びつつある「新庄野球」を堀内啓太記者が「見た」。

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 苦しみながらつかんだ1勝に、新庄ハムの真骨頂が詰まっていた。2点を追う6回に5得点で逆転。最後は救援陣が逃げ切り、2位を死守した。佐々木を攻略しての連敗阻止に新庄監督は「よう追いついてね、逆転までできた。(選手を)信頼した。よく徹底しましたよ」と胸を張った。

 “ネバネバ作戦”で朗希を追い詰めた。打線全体で直球とスライダーの2球種に狙いを絞り、低めのフォークを振らないよう徹底。3者凡退は初回だけ、5回までに5四球をもぎ取り、3盗塁で揺さぶった。「最後にジワジワ効いてきた」と八木打撃コーチは振り返る。佐々木に疲れの見え始めた6回には計4安打を集め、松本剛の2点打で同点。なおも2死満塁で、田宮が代わった岩下から走者一掃の二塁打で試合を決めた。朗希からの8安打中7本が狙いの2球種の徹底ぶりに「(球数)123!? 素晴らしい」と指揮官は目を見開いた。

 新庄監督が徹底させてきた「セコセコ野球」が、3年目で着実に浸透している。4月12日のオリックス戦では安打と盗塁、敵失、内野ゴロで決勝点を奪い、デビューから8連勝中だった東に土をつけた。5日の同戦でも8回に四球から2つの盗塁、敵失で同点。最後はセーフティースクイズで勝ち越した。22、23年の2年間、3試合計19イニングでわずか5安打に封じられた“怪物”も攻略してみせた。

 前カードでは首位ソフトバンクに3連敗。松本剛は「力の差を見せつけられた中で、この一戦を取れたのは大きい」とうなずいた。次週も対戦の可能性がある佐々木に対し「(対策は)口チャック。もう1点取れた」と指揮官はすぐに反省を口にした。13連敗を喫した昨季とは違う。新庄ハムが、息を吹き返した。(堀内 啓太)

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