【大学野球】日大・市川祐が93球無四球完投で現役最多のリーグ通算11勝 チームは国学院大に5連勝

スポーツ報知
先発し3安打1失点で完投した日大・市川祐(カメラ・中島 傑)

◆東都大学春季リーグ戦第4週第1日▽日大2―1国学院大(9日・神宮)

 日大が先勝した。3年生エース右腕の市川祐(関東第一)が国学院大打線を3安打1失点に抑え、リーグトップタイの今季3勝目、現役最多の通算11勝目を挙げた。制球良く無四球のマウンドで、わずか93球にまとめた。

 最後の力を振り絞った。9回2死二塁のピンチ。リードはわずかに1点。市川はミットをにらむと、思い切り右腕を振った。カウント1ボール2ストライクからの4球目。ツーシームにバットは空を切る。ゲームセットだ。エースは重圧から解放され、笑みをたたえて最後の整列に加わった。

 「初回と2回に打線が点を取ってくれたんで、2点あったので『1点OK』という気持ちで投げられた。それを9回まで続けられて、良かったと思います」

 ここまで勝ち点のない国学院大の打線は、目の色を変えて立ち向かってきた。右打者にはカットボールで内野ゴロを打たせ、左打者にはツーシームで凡打の山を築いた。「高めに浮くと長打になる。低めに投げきれば、ゴロか凡打にできる。低めを意識して投げていました」。バットの芯を外すことに心血を注いだ。

 これで現役最多のリーグ通算11勝。昨年は2年生ながら、青学大の常広羽也斗(現・広島)や下村海翔(現・阪神)、国学院大の武内夏暉(現・西武)や中大の西舘勇陽(現・巨人)、亜大の草加勝(現・中日)や東洋大・細野晴希(現・日本ハム)らドラフト1位でプロ入りした4年生の猛者たちと先発で投げ合い、経験を積んできた。「チームが勝てれば、自然と勝ち星も増えるんで」。個人よりチーム。そんな強い覚悟でマウンドに立つ。

 日大は国学院大に5連勝。片岡昭吾監督(46)は「得意なチームなんか、ないですよ。1戦1戦、戦うだけです」と表情を引き締めながら「優勝するためには負けられないゲーム。こういうゲームになるのは想像できた。市川は順延が多くあって調整してきた中、粘り強く投げられた」とエースをたたえた。次戦は14日、開幕7連勝の青学大戦。市川が闘志を秘め、難敵へ立ち向かう。(加藤 弘士)

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