福本豊氏、阪神の得点力不足解消のカギは中野の盗塁「ベンチが背中を押すべき」

スポーツ報知
3回無死二塁、中野拓夢が右前適時打を放つ(カメラ・朝田 秀司)

◆JERAセ・リーグ 阪神1―3広島(8日・甲子園)

 阪神は打線がふるわず、広島に連敗した。先発の大瀬良に対し、初回から3回まで先頭打者が出塁したが、2回の中野の適時打による1得点。先発の大竹は6回1失点。昨季6勝0敗と圧倒した広島打線との相性を今季初対戦でも発揮したが、8回にゲラが勝ち越し点を献上した。スポーツ報知評論家の福本豊氏は、得点力不足解消のカギに、今季ここまで1盗塁の中野の足を挙げた。

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 阪神は打線の勢いが開幕直後のようにピタリと止まった。広島・大瀬良の制球が定まらず、逆に絞りづらかった側面があるとはいえ、4安打では厳しい。この状況を打破する一つが機動力だけに、追いついた直後の3回無死一塁は、中野にスタートを切らせても良かった。

 今季の中野はわずか1盗塁で、2度の失敗を含めて企図が3しかない。出塁率はリーグ6位の3割5分6厘を残しているにもかかわらず、昨年の33試合終了時点(6企図4盗塁)と比べても走る機会が半減している。

 守備、走塁にスランプはないという意見もあるが、盗塁は試合でスタートを切っていないと、タイミングが計れなくなるものだ。21年に盗塁王に輝いた実績のある中野でも、難しさを感じているのではないか。得点力不足解消のためにも、中野本人のためにも、ベンチが積極的にサインを出して背中を押してやるべきだ。(スポーツ報知評論家)

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